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頭が「?」でいっぱいに!?福永信の未知なる小説
読み始めたとたんに、「小説とはこういうもの」というイメージがガラガラと崩れ去ってしまうのが福永信の小説です。ありえない設定。1行先も読めない展開。謎が謎を呼ぶ、たくらみに満ちた構成。そんな前衛性をもちつつも、どこか子どもっぽい遊び心とラディカルさ、吹き出してしまうほどのユーモアにあふれているところも魅力です。
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コップとコッペパンとペン
福永 信(著)
『いい湯だが電線は窓の外に延び』と、先のまったくよめない文章で始まる表題作。図書館で出会ったばかりの高校生の男女が、次の行では近所もうらやむほど仲のいい夫婦になっていたりします。そんな突然の飛躍や視点の変化で、小説の予定調和をかく乱する三つの短編を収録。1行先も予想できないスリル感がたまりません。
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星座から見た地球
福永 信(著)
主人公はA、B、C、Dとだけ名づけられた人物たち。年齢も性別も不明ですが、道路に落書きしたり、押し入れに隠れたりと、どうやら子どもたちのようです。でも、いつのまにか違う人物に変わっていたりもします。そんな彼らの、日常の小さなエピソードの連なりでできた小説です。読み進めるほど謎が深まってゆきます。
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アクロバット前夜90°
福永 信(著)
夜な夜なクラスメイトの女子の部屋に忍びこみ、日記を盗み読む小学生男子。そんな、どこかおかしな主人公たちが登場する短編集です。次々と非現実的な状況に巻きこまれる彼らですが、なぜかまったく驚くことはありません。頭のなかで描いた情景が次々とくつがえされ、裏切られてゆくような、ほかにない読書体験となるでしょう。
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一一一一一
福永 信(著)
『人は自転車をどこに置くのだろうか』などと、奇妙な質問を投げつづける人物。それに対して「たしかに」「おそらくは」と相づちだけで答える人物。そんな2人のやりとりから、しだいにストーリーが浮かび上がってくる不思議な小説です。「一一階」「一期一会」など、執拗に登場する漢数字にも深読みを誘われます。
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