ブックキュレーター楽工社 営業部 長至巳
読めば「飲んだつもり」になれる美味しい本。
ビール、牛乳、コーヒー。ちょっとタイプの異なる3つの飲料をめぐる書籍を選んでみました。主役は千差万別。生産者であったり、流通に関わる人であったり、その道を極めた匠であったり、「ひたすら美味しく飲める人」であったり。それぞれの領域での潔いまでの「偏愛」ぶりに、より読書への渇望と飲み物への渇望が増進されること請け合いです。
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大好きなビールの本であり、大好きな盛岡の街の本でもあります。当たり前のことだけれども、著者・ベアレン醸造所の嶌田洋一さんは、そんな私の何百倍か「ビールが大好きであり、盛岡が大好きである」方だということは、読めば誰でもわかります。これを読めばあなたも、ビールが大好きになり、盛岡が大好きになるはずです。
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たかぎなおこさんの食と旅に関するコミックエッセイは、何もかも物凄く美味しそうに描かれていますが、なかでも個人的に最も感じ入ったのが、この本です。マラソンが主であり、食べて飲むのが従なのでしょうけれど、完走した後の彼女のビールを飲むシーンほどに空前絶後に美味しそうなもの、うらやましいものはありません。
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牛乳戦争! ホンモノの牛乳を飲む法
高松 修(著)
宝島社がJICC出版だった頃の本。絶版。幼少のみぎりより牛乳をこよなく愛した自分が、とりわけリテラシーを鍛えられた本です。当時は特別な回路を持つ意識高い系販売店のみでしか購入できなかった「低温殺菌牛乳」が、やや気の利いた食品スーパーならどこでも購入可能になるまでの課程で、歴史の最初に登場した啓蒙書。
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茶道とか武道とかのように「求道者」の世界が描かれたノンフィクション。極めて異国の飲み物かと思われたコーヒーの世界が、極めて日本的心象のなかで進化を遂げていたことがよくわかります。もはや特別なのは「御三家」だけでなく、片隅の小さな街にも必ず「コーヒーに憑かれた」誰かがいる風景が私たちの国にはあります。
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スペシャルティコーヒー物語 最高品質コーヒーを世界に広めた人々
マイケル・ワイスマン(著) , 旦部 幸博(日本語版監修・解説) , 久保 尚子(訳)
「カップの中に神様を見た」。私たちの元に届けられる最高品質のコーヒーをめぐる、全地球的規模での熱き物語が描かれています。それは何処から来たのか、誰によって生産され、誰によって繋がれ、誰によって淹れられたのか?世界中を駆けまわった著者ならではの徹底取材で明らかにされる、サードウェイブコーヒーの現実。
ブックキュレーター
楽工社 営業部 長至巳1963年生まれ。出版と書店に関わる仕事を始めて四半世紀を超えました。ちょっと長い無職期間を抜け出し昨春(2017年)より業界復帰、現在は飲食に関わる翻訳書の出版社に勤めております。出身が茨城県で、大学が京都市で、地方出張も多い仕事のおかげで、日本の中で未踏の都道府県は宮崎県のみになりました。好きな作家・山田風太郎。別名で『1985』という小説を上梓したことがあります。あの『1Q84』より10年前に。
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