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癒し系の猫ブーム、飽きていませんか?ミステリアスな猫が登場する小説
「化け猫」とは言いますが「化け犬」とは言いません。猫を被ってごまかせても、犬では何も隠せなさそう。多くの小説家に愛される猫の魅力は、ほっこりまったりの癒しキャラというだけではないでしょう。存在や所作など、どこか人間に似て非なる不気味さや色気もあります。そんなミステリアスな猫が、魅力的に描かれた小説をピックアップしました。
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多才でありながら不遇の死をとげたポーの魅力が詰まった短編集。なかでもイチオシは「黒猫」です。酒に溺れ、愛猫プルートーを殺した主人公。瓜二つの黒猫に出遭い、妻を殺し、絞首刑になってしまいます。黒猫は不幸の象徴とも言われますが、そもそもプルートーとは冥界を司る神の名前。男はいつから呪われていたのか・・・、謎めいた1編です。
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第二次大戦下、自由奔放な新人女優ホリーの魅力に翻弄される駆け出しの作家の物語です。『私たちはお互い誰のものでもない、独立した人格なわけ』と、ホリーが名無しの猫を抱いて語るこの言葉の余韻はラストまで響いています。映画版を観た方も、一筋縄ではつかまらない猫とホリーの繊細な描写をぜひご堪能ください。
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猫を飼っているという方、実はあなたが飼われているのかもしれません。飼い猫リリーを溺愛する男、猫をダシに別れた男と寄りを戻そうとする女、猫に嫉妬する女。相手を所有しようとしゃかりきになるマヌケな人間たちをよそに、勝手気ままにふるまうリリー。ときに気高く妖艶にすら見える愛らしい小悪魔を、多くの小説家が好むのも納得です。
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舞台となるのは、主人公が子どもの頃に大家族で住んでいた世田谷の家。繊細に描写される妻と3匹の猫とのありふれた光景や生活音と、築50年の家から立ちのぼる微かな記憶の幻影との掛け合いが美しい小説です。猫たちも人間と対等に三匹三様の存在感があり、飼われているのではなく、共存している感覚が全体に浸透しています。
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