ブックキュレーター立命館大学・准教授 山本圭
政治から〈つながり〉を考えるためのブックガイド
私たちは社会との何某かの〈つながり〉がなければ生きていけません。しかし〈つながり〉はときに、抑圧的に感じられることも珍しくありません。政治は、そんな厄介な〈つながり〉を新しく生み出したり、維持したり、場合によって切断するものです。ここでは〈つながり〉と政治について考えるための書籍を紹介します。
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著者のパットナムは「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」という概念を用いて、アメリカ社会を分析したことで知られています。社会関係資本とはコミュニティにおける「社会的なつながりの程度」を示したもので、この蓄積が健全な市民社会を維持するために重要であると唱えました。
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貧困の基本形態 社会的紐帯の社会学
セルジュ・ポーガム(著) , 川野 英二(訳) , 中條 健志(訳)
社会の〈つながり〉にとって、貧困はますます重要かつ深刻な問題となっています。本書は、貧困の基本形態を三つの類型に分け、豊富なデータと国際比較をもとにその実相を浮かび上がらせます。「社会的紐帯」「社会的排除」といったキーワードを考えるための重要文献。
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社会的なもののために
市野川 容孝(編) , 宇城 輝人(編) , 宇野 重規(ほか著)
都市、格差、不平等、労働、連帯。本書は、この茫漠であるがゆえに曖昧にしか語られてこなかった〈社会的なもの〉の領野を、思想的、歴史的に捕縄しようとする刺激的な対談集。「あとがき」に予告されている論文集も楽しみです。
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「分かち合い」社会の構想 連帯と共助のために
神野 直彦(編) , 井手 英策(編) , 連合総合生活開発研究所(編)
都市と地方の軋轢や、経済の格差が拡大など、私たちの社会にはいくつもの分断線が、かつてなく深刻な仕方で走っています。このような対立はいかにして克服しうるでしょうか。本書は、人びとが支え合い、分かち合う社会にむけた建設的な提言となっています。
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〈つながり〉の現代思想 社会的紐帯をめぐる哲学・政治・精神分析
松本 卓也(編著) , 山本 圭(編著)
東日本大震災のあと、日本では列島の〈絆〉ということが盛んに聞かれました。しかし、国家やマスメディアから押し付けられた〈絆〉の大合唱には、どこか違和感も感じられます。本書は、哲学・政治思想・精神分析という多角的な角度から、来たるべき〈つながり〉を検討した画期的(!)論文集。
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ブックキュレーター
立命館大学・准教授 山本圭1981年京都府生まれ。名古屋大学大学院国際言語文化研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。専門は現代政治理論、民主主義論。現在、立命館大学法学部准教授。著書に『不審者のデモクラシー――ラクラウの政治思想』(岩波書店、2016年)など。訳書にヤニス・スタヴラカキス『ラカニアン・レフト――ラカン派精神分析と政治理論』(松本卓也との共訳、岩波書店、2017年)がある
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