ブックキュレーター味の手帖編集顧問タベアルキスト マッキー牧元
食を通じて識る東京
今や世界一の美食都市となった東京には、多面的な魅力が潜んでいる。その秘密と味わい方を、伝統的な職人仕事や、居酒屋の女将、江戸生粋の料理、昭和初期の東京、食の楽しみ方などを通じて探る。より東京で食べる食が味わい深くなる本です。
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ぼくの東京案内 新装版
植草 甚一(著)
生粋の下町生まれ下町育ちである、雑学博士で洒落人、植草甚一氏による東京の街案内エッセイ。自分が愛した街の移り変わる様を懐古主義に走る事なく、NYやロンドンと比較しながら、時にはJAZZにたとえながら、急激に変化していく街をを好奇心あふれる目で見つめる。同時に興趣そそられる植草氏の子ども時代の昭和初期下町の姿もかいまみせる。懐かしむが執着しない、江戸っ子の粋に貫かれた軽妙洒脱な文章が楽しい。
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すきやばし次郎旬を握る
里見 真三(著)
江戸東京が生んだ食文化である握り寿司の世界を、現在93歳になる小野二郎さんが初めて語った本。仕事の技術へ向かう誠実さと、日々の仕事を点検しつつ決して現状に満足しないで、より良きものを作ろうという心構えが各章に滲んでいる、実はアイデアマンで伝統を守りつつも常に新しい仕事を模索して現在のスタイルが出来上がった事も知ることができる。それは進取の精神に富んだ江戸人の気質と共通する物である。
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生粋の下町東京根岸
北 正史(著) , 沢田 重隆(絵)
関東大震災なども免れて、明治大正の色を残す今から40年前の根岸で働く人びとの姿と80余枚の精密画とともに紹介する、画集兼ドキュメント。居酒屋の女将、豆腐屋、三味線屋、染物屋など、八人の人の姿が浮き彫りにされる。働く場所と住む場所が一緒だった下町のありようは、本来の町のあり方であり東京のあり方だったことを知る。
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完本大江戸料理帖
福田 浩(著) , 松藤 庄平(著)
去年惜しまれつつ閉店した、大塚「なべ家」の主人であり、江戸料理研究家でもあった福田浩氏と松藤庄平氏氏による、江戸料理の案内本。関西の料理に押されて今東京ではほとんど食べることのできなくなってしまった江戸料理の数々がカラー写真と主に紹介されている。その料理は、創意工夫に富みながら合理的かつ実質的な美味を求めたもので、時にはユーモアさえ感じさせるものがある。見立料理も多く、いかに楽しく食生活を送ろうかと考えていた江戸時代の人々の豊かな精神性が窺える。
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東京・食のお作法
マッキー牧元(著)
コロッケそば、とんかつ、うなぎ、フライ、納豆、おでん、鍋など、普段食べている料理を楽しみ、より美味しくさせる方法を示した本”おいしいものを食べる”より”美味しく食べる”人生の指南書。料理だけでなく、銀座、新宿。立石、北千住などの楽しみ方も、巻末の「まずいのお作法」も必見です。
ブックキュレーター
味の手帖編集顧問タベアルキスト マッキー牧元1955年東京出身。立教大学卒。食ジャーナリスト。日本国内、海外を問わず、年間600外食ほど旺盛に食べ歩き、雑誌、テレビ、ラジオなどで食情報を発信。「味の手帖」、「朝日新聞WEB」、「料理王国」、「食楽」他連載多数。三越日本橋街大学講師、日本鍋奉行協会顧問。食文化、食科学に関わる書籍を数多く上梓。最新刊は「出世酒場〜ビジネスの極意は酒場で盗め」(集英社)。読書スタイルは紙・電子・場所一切拘らず読んでいる。
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