ブックキュレーター編集者・ライター 速水健朗
東京の転機を見いだすために読みたい都市論
「日本橋をかつての姿に戻す」なんてことがいわれるけど、どの時代に戻すのが正解かは難しくないですか。江戸なの明治なの?震災?空襲?どこが近代東京の分かれ目?バブル前後とかでも変わってない?などなど。東京についての本も、どこの時代と接続させるのかによって大きく見方は変わります。以下に取り上げるのは、ある時代との比較によって語られる東京本です。
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ミステリと東京
川本 三郎(著)
東京を描くミステリ小説は数多く存在する。高層マンションでの家族消失事件、ビル連続放火、失踪した人物の行方は・・・。新宿、六本木、渋谷、下町。東京の街の歴史や背景が語られる一冊。 街の変質は、ときに事件として表出する。エッセイを超えた都市論。
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新東京いい店やれる店 SEX&THE CITY&THE RESTAURANTS
ホイチョイ・プロダクションズ(著)
バブル後に大ヒットしたレストランガイドの約20年ぶりの続編。夜景の見えるスカイレストランで女性を口説いたのは、過去の話。今は町の定食屋のサバ煮定食の方がモテる時代。そんな時代の変化の背景にあるもの。東京という街の成熟をたどった秀逸な東京の都市論。
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80年代に田中康夫が書いた文章は、どれも東京論だった。『なん、クリ』続編の本作はどうか。50代を迎えた登場人物たちは、今も骨董通りや代官山辺りで遊んでいるが、この先人口減少期を迎えようとしている都心の光景にわびしさも覚えている。反転した東京論か。
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東京β 更新され続ける都市の物語
速水 健朗(著)
東京の水辺の高層住宅のイメージ。かつての団地(『家族ゲーム』森田芳光監督)の時代から現代のタワーマンション(『ハピネス』桐野夏生)まで、さまざまに変遷してきた。映画、小説、漫画などの中で描かれた東京と都市開発の歴史を遡って考察した東京論。
ブックキュレーター
編集者・ライター 速水健朗評論家・コラムニスト。ショッピングモールをとおして見る都市論から、ラーメンから語るメディア論など、少し斜めの角度から社会を捉える物書き。主な著作に『東京どこに住む?住宅格差と人生格差』(朝日新書)『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)などがある。また、ラジオパーソナリティーとして『速水健朗のクロノス・フライデー』(TOKYO FM)などのレギュラー番組も持つ。
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