ブックキュレーター作家・教育学者・筑波大学名誉教授 谷川彰英
東京の街歩きが楽しくなる5冊
2020年を控えて「東京」が世界の注目を集めています。東京の魅力は目抜き通りの裏にひっそりとたたずんでいる史跡や道や建物などに隠されています。そんな街歩きを楽しめる5冊を選びました。一人で歩いてもよし、仲間と歩いてもよし―。謎解きのように東京の歴史をたどることで、きっとあなたの東京観は変わるはず。
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素朴な疑問でたどる「東京地名ミステリー」。地名の謎解きをミステリーにたとえて書かれた最初の地名本。東京の地名本は著者のものも含めて多数あるが、読み物として抜群に面白い。「新宿」「渋谷」「八重洲」「お台場」「錦糸町」など東京を代表する地名に関する「最新」にして“最深”の情報を満載。
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重ね地図で読み解く大名屋敷の謎 カラー版
竹内 正浩(文・写真)
江戸の町に広がる大名屋敷を丹念に歩いて書き上げた力作。これまでも部分的に大名屋敷をたどる本はあったものの、これほど丁寧に歩いて書いた本はなかった。4つの重点箇所については、重ね地図で構成されており、一目瞭然で理解を助けている。全ページカラーで構成されており、著者自ら撮ったという写真も美しい。
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東京古道探訪 江戸以前からの東京の古道を探る歴史散歩
荻窪 圭(著)
東京の古道を探った本は意外にも少ない。古道は掘り下げれば掘り下げるほど深く暗闇を歩くようなものだが、それに挑んだ作品である。全部で10の古道ルートを紹介してあり、いずれにも地図が付されているので、歴史散歩には最適。東京の歴史の追体験ができる好著。
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東京湧水せせらぎ散歩
高村 弘毅(著)
東京の地形をたどるのに、坂道や階段だけを歩いてみても始まらない。湧水地をたどるだけで東京の地形と潤いが実感として理解される。武蔵野台地方面の湧水が多く紹介されているが、23区でも世田谷区の等々力渓谷、新宿区のおとめ山公園など、訪れる湧水は多い。「せせらぎ散歩」というサブタイトルも美しい。
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下町の名建築さんぽ
大島 健二(文・絵)
下町に残された情緒たっぷりの名建築をたどるという趣向。これまで気づかなかった視点である。ノスタルジックで美しい商店街、商店、民家、駅、橋など100の建築、街並みをイラストで図解している。文・イラストともに著者自身が手掛けており、とりわけイラストの美しさに魅了される。東京の街歩きに欠かせない一冊。
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ブックキュレーター
作家・教育学者・筑波大学名誉教授 谷川彰英1945年長野県松本市生まれ。もともとは教育学者だったが筑波大学(副学長)退職後にノンフィクション作家に転身。柳田国男研究で博士の学位を取得した関係で歴史・民俗への関心が強く、現在は地名の由来に関する作品を多数執筆中。地名の取材で全国各地を訪れることが趣味(仕事)で、現地に行く前はどんな所なのか期待でわくわくする。しかし、人口減少による地方の疲弊には大きな問題を感じている。内田康夫の作品からは地名にちなんだストーリー展開、東野圭吾の作品からは、理数系の緻密な推理力を学んでいる。読書スタイルは紙で、電車の中など移動中が多い。
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