ブックキュレーターhonto編集員
正解も不正解もない。「家族のあり方はさまざま」と思えるようになる物語
家族。それは一番身近で頼れる存在でありながら、時に厄介だったり、理解できなかったり、遠ざけたくなったりする存在でもあるものです。誰もが一度は家族に対する悩みを抱え、「家族ってなんだろう?」と思ったことがあるでしょう。ここでは、そんな時に読んでもらいたい「さまざまな家族のあり方」を描いた物語を紹介します。
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卵の緒
瀬尾 まいこ(著)
血はつながっていなくても確かな絆でつながっている親子を描いた「卵の緒」、ある日急に二人で過ごすことになった異母姉弟の物語「7's blood」を収録した作品集です。「本物の家族」じゃなくてもしっかりと愛し合う彼らの姿を見ると、本物だとか偽物だとか決めることに意味はあるのか?と考えさせられます。
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冷え切った家庭の中で生きてきた、姉と弟の姿を描いた長編小説です。弟がどんな悪い子になっても心配ばかりしている姉の姿、姉がどれほど変わってしまっても気遣い続ける弟の姿は、けなげで心に沁みてきます。弟が結核に罹ったのをきっかけにようやく変わっていく両親、昔からずっと変わらない姉の対比が切なく描かれています。
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猫泥棒と木曜日のキッチン
橋本 紡(著)
『お母さんが家出した』という書き出しで始まる物語。この大事件を高校生にしては大人びすぎた態度で受け入れる主人公とその弟には、頼もしさというよりむしろ物悲しさを感じます。「親」もひとりの人間でいつも正しいわけじゃない・・・。でも、正しくないからって愛がないわけじゃない、そう信じたくなる一冊です。
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夏休み、久々に会う父に「ユウカイ」された小学5年生の女の子の物語です。だらしなくて頼りがいもない父親としっかり者でクールな娘が海水浴やキャンプを通し、しだいに打ち解けていく様子が胸に沁みてきます。内容のわりには語り口は淡々としていますが、それが逆に読み手の感動を誘います。
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主人公は愛のない家庭に育ち、いつか自分の家庭を築くことを夢見る少女です。彼女がその夢に近づいたところで物語は一転します。「理想の家族」に憧れた少女がどんな結末を迎えるのか?予想もつかないような展開が繰り広げられます。家族や性をめぐる常識に対し、「普通って何?」という問いをぶつける衝撃的な物語です。
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