ブックキュレーターhonto編集員
刊行以来、続々と発表されてきた『坊っちゃん』の二次創作本を読み比べ
山嵐、赤シャツ、狸などの魅力的なキャラクターが登場するからなのか、復讐談でありながら残酷すぎないからなのか、はたまた主人公の軽妙な語り口のせいなのか、1906年に発表されてから100年以上が経過しているのに、いまだに日本人に親しまれ続けている夏目漱石による傑作『坊っちゃん』。ここではその魅惑的な二次創作本を紹介します。
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浅見光彦がモノローグ形式で殺人事件の謎を解いてゆく貴重な一冊です。著者が『坊っちゃん』にずいぶん影響を受けたというだけあって、きめ細かく同書のモチーフが使われています。本家『坊っちゃん』とのズレ具合や換骨奪胎ぶりも魅力で、推理小説ながら、紀行文学としての要素も充実しています。
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坊っちゃん忍者幕末見聞録
奥泉光(著)
「坊っちゃん」が忍者だったら、という設定で話が進んでいると思いきや、時空まで超えてしまう自由なストーリー展開が奥泉光らしい一冊です。『坊っちゃん』とはまるで違うと思っていると、文体をはじめ細やかに夏目漱石へのリクペクトっぷりがあちこちから感じられる憎い趣向が凝らされています。
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うらなり
小林 信彦(著)
『坊っちゃん』に登場するうらなり君こと古賀の目線から、その後を描いた『文体模写でもパロディでもない』オマージュ。回想として坊っちゃんと過ごした日々を語り、山嵐やマドンナと再会します。覇気のない主人公うらなりの現代人的な目線から本家『坊っちゃん』に新たな解釈が加わり、謎解きのおもしろさも満喫できます。
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