ブックキュレーター哲学読書室
友情という承認の形――アリストテレスと21世紀が出会う
家族制度の動揺、社会の高齢化、セクシュアリティ感覚やジェンダー意識の変容、SNSの普及――21世紀の現実が、友情について新たに考えることを求めているように思われます。驚くべきことに、その際最も頼もしい対話者の一人は、紀元前4世紀の人アリストテレスなのです。【選者:藤野寛(ふじの・ひろし:1956 -:国学院大学教授)】
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友情の哲学 緩いつながりの思想
藤野 寛(著)
一方で、友情に対する過大な要求や誇大な理想にブレーキをかけつつ、でも、他方で、友達と共にある人生の可能性を探りたい、というささやかな願いの下に、友情の原理と現在について考え、書きました。問い合わせ先は、ホネット、アリストテレス、カント、ニーチェ、フーコー、ネハマスといった人々です。
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哲学書は、お勉強として向かい合っている限りでは、有り難くはあっても難解なだけの読み物にとどまるのですが、対話の関係に入ることに成功すると、にわかに愉しい思考のパートナーになります。私は、この古典でそういう経験をしました。
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「星の友情」は、「狂気の人間」と並んで、このニーチェ中期の著作に含まれる忘れ難いアフォリズムです。トゥーゲンドハットが、この本に関して、ここでは憎悪とも尊大さとすら無縁のニーチェに出会うことができる、と評しています。
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友達という理念が、生きていく上で、往々にしてどれほどの重圧となりうるかという深刻な問題が、行き届いた教育的配慮のもとに、見事に描き出されています。この本の存在を知っていたら、私は友情論など書こうという気になれなかったかもしれません。
ブックキュレーター
哲学読書室知の更新へと向かう終わりなき対話のための、人文書編集者と若手研究者の連携による開放アカウント。コーディネーターは小林浩(月曜社取締役)が務めます。アイコンはエティエンヌ・ルイ・ブレ(1728-1799)による有名な「ニュートン記念堂」より。
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