ブックキュレーター作家のエージェント 栂井理恵
人生の謎を解き明かす「病との闘いの記録」を描いた文学
闘病の記録は、日本でも文学のひとつの形とみなされてきたように思います。病める者の生死と向き合う<闘病記>には、病気やその当事者に対する興味関心を惹きつける力ばかりでなく、ときに差し迫った問題を解き明かす鍵があります。今やブログやSNSなどで様々な闘病記が書かれる時代になりましたが、その中でも読むべき5冊を紹介します。
- 3
- お気に入り
- 1701
- 閲覧数
-
闘病記は大嫌いだったという澁澤龍彦が、死の前年、下咽頭腫瘍の手術で入院中に幻覚を見たことを描いた貴重な随筆。鎮痛剤の副作用によって生じた幻覚の数々は、古今東西の幻想美術を連想させる奇妙なものばかり。初めて現実と幻想との境界を体験したという澁澤の「存在が揺らぐことへの不安」が表れているかのようです。
-
小説家の津原泰水の音楽にまつわるエッセイをまとめた本ですが、35歳のときにウェブサイトに上げていた「所詮幻覚」という日記も収録されています。当時、神経を患っていた彼が現実と幻想を行き来しながら、わずかながらでも快方に向かっていく様子が克明に描かれています。記録の方法も含めて、作家志望者必読です。
-
上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白
小田嶋 隆(著) , 木下晋也(イラスト)
コラムニストの小田嶋隆が「元アル中」として、自らの断酒体験を綴りながら、アルコール中毒とは何か、依存症とは何かを考察した一冊。アル中や依存症のリスクを伝える内容ですが、同時に、お酒ってやめる(やめ続ける)ことができるんだよってことが分かります。「やめられない」と言い訳する前に、すぐ読んで下さい。
![]()
ブックキュレーター
作家のエージェント 栂井理恵出版社勤務、舞台芸術ライター、翻訳者などを経て、2005年にアップルシード・エージェンシー(http://www.appleseed.co.jp/)入社。新しい才能やアイデア、埋もれてしまいそうな作品を発掘し、作家のエージェント(代理人)として出版社への売り込みや交渉を行う日々を送っている。この仕事の醍醐味は、自分の興味関心、新しい発見や学びを、作家や本を通じて読者と共有できること。そうして関わった書籍は、文芸・ノンフィクションからビジネス・実用まで、約200冊に上る。これからも個性溢れる作家たちの創作活動の現場を支え、知的好奇心をかき立てられる面白い本を世に送り出していきたい。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です

