ブックキュレーター作家のエージェント 栂井理恵
事件の裏で動く「国家の密偵」たる公安警察の内情を描く!迫真のサスペンス
この夏に行われた、オウム真理教事件の死刑執行。地下鉄サリン事件という前代未聞の無差別大量殺人行為に再び注目が集まり、事件の裏で捜査を進めていた公安警察の活動も、ニュース番組で度々取り上げられています。しかし、公安警察とは何かは意外と知られていないはず。今回は、その公安警察の内情を描いた手に汗握るサスペンスを紹介します。
※本ブックツリーの内容は、執筆時点(2018年8月30日)の情報に基づいております。
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公安警察の中でも北朝鮮や中国の工作員による諜報事件について読みたければ、公安担当の敏腕テレビ記者だった著者による、<ソトニ>こと公安部外事二課シリーズがお勧め。公安部を追われたスパイハンター・筒見慶太郎が、自分を罠に陥れた工作員や組織内の密告者と対決します。海外ものに匹敵する骨太の諜報ミステリです。
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本書は、警視庁が捜査を人工知能に頼るようになった十数年先の日本が舞台。テロ集団によって警視庁のシステムがダウンしたところに、次々と大企業を標的とした攻撃が仕掛けられます。まさにIT用語で言う<ゼロデイ>で能力を発揮するのは、自称ロートル、「足で稼ぐ」現場主義の中年刑事で、その活躍がなんとも痛快です。
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公安警察ならぬ「平和警察」が地域の安全を取り締まる近未来を描く本書では、住民たちの相互監視によって「危険人物」は処刑されてしまいます。この太平洋戦争中の特高警察を彷彿とさせる不条理な事態を、ユーモアとアイロニーを織りまぜながら淡々と描き、最後には微かな希望を見せる伊坂ワールドは、さすがの面白さです。
ブックキュレーター
作家のエージェント 栂井理恵出版社勤務、舞台芸術ライター、翻訳者などを経て、2005年にアップルシード・エージェンシー(http://www.appleseed.co.jp/)入社。新しい才能やアイデア、埋もれてしまいそうな作品を発掘し、作家のエージェント(代理人)として出版社への売り込みや交渉を行う日々を送っている。この仕事の醍醐味は、自分の興味関心、新しい発見や学びを、作家や本を通じて読者と共有できること。そうして関わった書籍は、文芸・ノンフィクションからビジネス・実用まで、約200冊に上る。これからも個性溢れる作家たちの創作活動の現場を支え、知的好奇心をかき立てられる面白い本を世に送り出していきたい。
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