ブックキュレーター朝日新聞「好書好日」編集部
観てから読むか読んでから観るか、現役映画監督たちの本
気分で本を選べるブックサイト「好書好日」では、原作のある新作映画の公開時期に合わせ、映画と本、双方の魅力を伝えるべく、監督やキャストにお話を聞いた記事を随時掲載しています。映画本は名著の宝庫ですが、そのなかでも今後も新作が期待される監督の映画作りのメソッドが伝わる「現役監督本」を集めてみました。
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カンヌ映画祭最高賞を受賞した是枝監督が、約20年間にわたって撮り続けた自作について「考えたこと」をつづった本です。もともとテレビ出身の監督が、「テレビなまりのある映画言語」を使い、試行錯誤を重ねながらも、一作ごとに経験を積んでいく様子が素直に記されており、一人の映画人の成長記としても読めます。
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「月光の囁き」などで熱烈なファンを持つ塩田監督の実践的批評集。映画の一場面を取り上げ、演技と演出がなぜ観客の心をつかむのかを、スクリーンの中で起きていることだけを手がかりに解説していきます。「動線」や「視線と表情」に着目した分析は、作り手ならではの所見に満ちており、映画の見方が確実に変わります。
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ホラー映画をこよなく愛する黒沢監督が、怖い映画と映画の怖さについてつづった散文集。多くは90年代に書かれた文章ですが、解説つきの「ホラー映画ベスト50」などもあり、ホラー映画好きなら必携の一冊です。ホラーに分類されない作品でも、随所に不穏なムードが漂う黒沢映画の秘密の一端を垣間見える本でもあります。
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西川監督の映画作りの発想がどこからきているかがわかるエッセー集です。オーディション、動物タレントなど、制作現場のふとした風景を切り取る手つきが見事です。解説の寄藤文平さんの言葉を借りれば「ほとんど霜降り肉のよう」な文章。代表作「ゆれる」の制作過程をつづった「プロダクション・ノーツ」もついてます。
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ウディ・アレン作品を楽しめるかどうかは、ウィットに富みながらもシニカルでスノッブなセリフ回しに耐えられるかにかかっています。そんな会話にニヤニヤできる人におすすめなのが、この短編小説集。最新の物理学理論がいつのまにか下卑た艶笑譚になる小品など、映画の一場面を切り取ってきたかのような話が目白押しです。
ブックキュレーター
朝日新聞「好書好日」編集部朝日新聞社が2018年6月にオープンしたブックサイト(https://book.asahi.com/)。朝日新聞読書面の書評をはじめとした新聞記事や、ライフ&カルチャーにひもづけて本を紹介するウェブオリジナル記事を掲載。
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