ブックキュレーターhonto編集員
あなたの知らなかった「空間」が見えてくる本
普段の生活のなかで、建築家でもなければ「空間」について考える機会はそう多くないでしょう。しかしここで紹介する本を手に取れば、空間は私たちに無意識のうちに多大な影響を与え、行動を条件づけてさえいることに気づかされるはずです。私たちが気づいていないだけで、そこには生き生きとした世界が広がっています。
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空間の経験
イーフー・トゥアン(著) , 山本 浩(訳)
空間や場所の広がりや狭さを、人間はどのように把握しているのでしょう。著者は空間の本質を「自由」、場所の本質を「愛着」だと考えています。そして、人間にとっての「空間」が「場所」へと変わっていくプロセスを、建築、幼児、神話、都市、国家など、さまざまな観点から丹念に記述した目からうろこの空間論の古典です。
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監獄の誕生 監視と処罰
ミシェル・フーコー(著) , 田村 俶(訳)
国家権力は犯罪者を支配して罰するために、いかに空間をデザインしてきたのか?思想家ミシェル・フーコーが考古学的手法を用いてその歴史をたどったのがこの大著です。残虐な拷問・身体刑から精神に苦痛を与える罰へと変遷してきた末に完成した、おそるべき監獄システムについて書かれています。
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空間の詩学
ガストン・バシュラール(著) , 岩村 行雄(訳)
科学哲学者である著者が空間にまつわる詩的イメージについて、文学や哲学作品からの引用とともに奔放に綴った他に類を見ない空間論です。家、箱、巣、貝殻、抽斗など、主に住居・棲み家を象徴するような空間をめぐって多くのページが割かれています。多くの建築家の創造力を刺激した、と言われている名著です。
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本書は文学論ですが、主人公は人間ではなく空間です。例えば森鴎外の『舞姫』については、主人公の行動をベルリンという都市の構造との関係性から分析しています。住居や都市という空間を、小説を駆動させる原動力のひとつとして見た刺激的な論文集。人間は自分の意思で動いているようでいて、実は空間に動かされているのかもしれません。
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環境が動物に提供するもの、それが「アフォーダンス」です。本書では動物がそれをいかに巧みに利用しながら生きているのかを、豊富な事例とともに紹介しています。私たちがこの環境世界で生きていること、その奇跡を実感せずにはいらなくなる一冊です。
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