ブックキュレーターフリーランスライター ふるまいよしこ
香港、台湾、東南アジア・・・中国大陸の周縁で生きる
今やアジアは中国を中心に動いているといっても過言ではない。かつてない勢いで成長するこの国をさまざまな周縁地域が見守っている。中国という国と付き合い、揉まれ、いかに共存しているのか。我々がそこから学べるものは多い。
- 13
- お気に入り
- 1493
- 閲覧数
-
台湾海峡一九四九
龍 應台(著) , 天野 健太郎(訳)
著名華人作家による家族史、そしてその家族を翻弄した時代を紐解く重厚な翻訳本。生命力に溢れた女性の生き様、そしてさまざまな思いが絡み合う故郷についての記述。誰しもにとって単純ではなかった華人社会の半世紀を振り返る大著。ロマンを感じるのもよし、生き様に舌をまくのもよし、歴史を振り返ってみるのもよし。アジアを語るときに無視できない一冊。
-
君と共に中国を歩く ある台湾人父子の卒業旅行
呉 祥輝(著) , 東 光春(訳)
「中国がわからなくて、国際感覚が言えるのかね?」と台湾強権政治の批判者だった作家が、台湾からアメリカへヨーロッパへと巣立った息子を連れて中国を縦断。父のうんちくは清朝末期の八カ国連合から最近の台湾ビジネスマンの活躍ぶりへと八面六臂。痛快な中国解説書。
-
辺境中国 新疆、チベット、雲南、東北部を行く
デイヴィッド・アイマー(著) , 近藤 隆文(訳)
英紙の元駐北京記者が在任中に、文字通り自ら中国の東西南北の各地をまわり、そこに暮らす(あるいは暮らしていたはずの)少数民族たちを訪ね、そして現在の暮らしぶりをまとめたルポ。生半可な駐在記念出版などではなく、じっくりと少数民族と語り、また彼らの歴史や今のありようを記録した力作。
-
初版は日中国交回復前の1971年、2016年に新書化。時代の検証を受け生き残ってきたという意味で無視できない現代中国と付き合うときに読む解説書である。「歴史は中国人の魂のよりどころ」という視点から、中国人の行動美学とその意識を読み解く。日本人との違いも指摘されていて大変参考になる。
-
中国は東アジアをどう変えるか 21世紀の新地域システム
白石 隆(著) , ハウ・カロライン(著)
東南アジアは長い歴史の中で、地続きの中国と否が応でも付き合ってこざるを得なかった。小国たちが意外にたくましく、丁々発止と付き合う上で培えた「動的均衡」への姿勢をもっと日本人は学ぶべきだ。同時にまるでアジアの代表者かのように振る舞う前に、まずはアジアの国々がどんな視線を地域に注いでいるかを知るべき。
ブックキュレーター
フリーランスライター ふるまいよしこフリーランスライター。香港で14年、北京で13年半暮らし、大手メディアが取り上げない現地社会を観察、解説。香港バプティスト大学ジャーナリズム学院ジャーナリストプログラム2018年度フェロー。著書:『香港玉手箱』『中国新声代』『中国メディア戦争』。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です