ブックキュレーター朝日新聞「好書好日」編集部
つれあいを亡くした作家たちの鎮魂記
長年連れ添ったつれあいを亡くした気持ちをどう整理すればいいのか。誰もが抱えるそんな思いを、筆一本で生きてきた作家たちは文章にすることで折り合いをつけてきました。極私的なことがらなのに、読み手が思わず我が身に引き寄せて考えてしまう。気分で本を選べるブックサイト「好書好日」で、そんな作家たちの鎮魂の記を集めてみました。
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城山三郎が妻のことをつづった手記です。初々しい出会いから、結婚し、家庭を築き、仲むつまじく食事や旅行に出かける姿がスケッチ風につづられます。しかし、思いもよらぬ病の発覚から、あっという間の別れが訪れます。軽やかな筆致で描かれる妻の姿は実にチャーミング。それゆえにタイトルが読み手の心に響きます。
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藤枝静男のデビュー作は結核療養所に入院した妻のもとに物資を届ける男の話でした。『悲しいだけ』は妻の最期を看取り、納骨するまでを私小説として描いています。結婚生活39年のうち、妻が健康だったのはわずか4年。常に間近にある死を意識して夫婦生活を送ってきた者ゆえの、諦念と悔恨がひしひしと伝わる名品です。
ブックキュレーター
朝日新聞「好書好日」編集部朝日新聞社が2018年6月にオープンしたブックサイト(https://book.asahi.com/)。朝日新聞読書面の書評をはじめとした新聞記事や、ライフ&カルチャーにひもづけて本を紹介するウェブオリジナル記事を掲載。
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