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ヒトを根っこから問い直す!?はじめての人類学
人類社会は科学技術の進歩とともに近代化を遂げ、ずいぶんと遠くまできてしまいました。その間に人類が失ってしまったものとは何か。あるいは人類社会にはもっと別様の形があり得たのではないのか。人類学の背後にはつねにそうした問いかけがあります。いわゆる「未開」社会に思いを馳せることで、現代社会における幸福について問い直す本を紹介します。
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悲しき熱帯 1
レヴィ=ストロース(著) , 川田 順造(訳)
人類学を知る上で避けては通れない一冊です。ブラジルの未開部族の調査記録ではあるものの全編に漂っているのは、近代化を遂げた西欧から来た文化人類学者には彼らの文化を完全には理解できない、という著者の諦めだといえるでしょう。研究書というよりも人類学者が味わわざるを得ない悲しみや、人類学の限界を吐露した紀行文です。
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森は考える 人間的なるものを超えた人類学
エドゥアルド・コーン(著) , 奥野 克巳(監訳) , 近藤 宏(監訳) , 近藤 祉秋(共訳) , 二文字屋 脩(共訳)
未開民族を調査し自民族・自文化との違いを再確認する、そんな時代は終わったといえるでしょう。今や別の動物や植物の生態から人類の限界を考え直す、そんな時代が始まっています。動物たちは森でいかなる思考を持ちながら生き延びているか。思考しているのはもはや人間でも動物でもなく、森である。そんな境地に辿りついた一冊です。
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草木虫魚の人類学 アニミズムの世界
岩田 慶治(著)
本書のキーワードは「アニミズム(精霊信仰)」です。一神教にも多神教にも収まらない、自然に宿るアニマ(魂)とは何か、カミ(神)とは何かを、東南アジアのフィールドワークを通じて追究しています。カミの気配を感じる能力を失った現代人がその感覚を取り戻すにはどうすればいいのか、著者の究極の目的はそこにあります。
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アフリカ大陸の森で誕生したホモ・サピエンスは二足歩行の能力を獲得した後、ヨーロッパやアジア、アメリカ大陸へと旅立ちました。その間、彼らはいかに荷物を運んだのでしょうか。本書は文化・民族による荷物の「運び方」の差異から、かつて人類が行った「グレート・ジャーニー」に思いを馳せます。卓抜な着眼点をもって書かれた一冊です。
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