ブックキュレーター港の人 編集者 井上有紀
永遠に生き続ける、それぞれの宮沢賢治
詩集と童話集、2冊の本をつくって37歳で亡くなった宮沢賢治。詩人であり、教師であり、科学者であり、ひとりの弱い人間だった賢治。彼の作品はさまざまな絵本や漫画や映画になり、研究されてきましたが、色あせるどころか、ますます強い光を放つかのようです。宮沢賢治をめぐる本は、生きることの不思議さを繰り返し私たちに教えてくれます。
- 21
- お気に入り
- 1141
- 閲覧数
-
宮沢賢治のオノマトペ集
宮沢 賢治(著) , 栗原 敦(監修) , 杉田 淳子(編)
どっどどどどうど どどうど どどう。これは「風の又三郎」の出だし、力強く風が吹きわたるさまをあらわす有名な言葉です。山は「うるうる」もりあがり、「しゃりんしゃりん」と鈴蘭は鳴る。右のページに手書きの文字で賢治の作品に出て来るオノマトペ、左のページに短い解説。心の耳で賢治を読むユニークな辞典です。
-
宮澤賢治愛のうた 新版
澤口 たまみ(著)
独身のまま生涯を終えた賢治の恋愛や恋人のことは、研究者たちの間で繰り返し話題にされています。この本もそんな試みのひとつですが、研究というよりは、宮澤賢治の秘めた恋愛をハラハラしながらそばで見守る友人の手記のようでもあります。人間・宮澤賢治の魅力の奥深さを伝えてくれる本です。
-
紫雲天気、嗅ぎ回る 岩手歩行詩篇
暁方 ミセイ(著)
暁方ミセイは、中原中也賞、鮎川信夫賞を受賞した若き実力派詩人です。花巻駅、小岩井農場、農学校などを歩き、賢治の気配を感じ、それを詩のことばにして風にのせていく。透き通っていてすがすがしく、少しさみしくて、でも幸福の予感をもたらしてくれる詩たち。ポケットに入れて野を歩きたくなる小型の詩集です。
-
宮沢賢治の元素図鑑 作品を彩る元素と鉱物
桜井 弘(著)
小学校のころ「石っこ賢さん」と呼ばれた賢治の作品には、たくさんの元素や鉱物の名がちりばめられています。賢治ののこした作品に登場する元素を豊富な図版とともにていねいに紹介し、科学と文学が融合した、まさに宮沢賢治らしい本。世界の美しさに心を寄せる賢治の感受性を愛情深く受けとめています。
-
春の先の春へ 震災への鎮魂歌 古川日出男 宮澤賢治「春と修羅」をよむ
宮澤 賢治(著) , 古川 日出男(著)
まずはこのCDブックの音源を聞いてほしい。東日本大震災が起きて「賢治を読む」意味が根底から変わったと言う小説家・古川日出男が朗読する宮沢賢治は、特別なエネルギーに満ちている。言葉には意味や情報だけがあるのではなく、声があり、息があり、感情や祈りがあるのだと、賢治と古川のふたりが教えてくれます。
ブックキュレーター
港の人 編集者 井上有紀鎌倉の由比ガ浜にある出版社「港の人」勤務の編集者。手がけた本は、『目であるく、かたちをきく、さわってみる。』(マーシャ・ブラウン)、『きのこ文学名作選』(飯沢耕太郎編)、『胞子文学名作選』(田中美穂編)、『世界 ポエマ・ナイヴネ』(チェスワフ・ミウォシュ)、『90度のまなざし』(合田佐和子)など。海を見ながら自転車で通勤する時間が、毎日のいちばんの贅沢です。本棚の隅っこにあるような本もふくめて、一冊一冊大切に紹介します。ホームページhttps://www.minatonohito.jp
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です