ブックキュレーター本しゃべりすと/書籍PR 奥村知花
身近なとこからグローバリズムに触れてみる
世の中は「自分と違う」ものばかりでできている。どうしたら他者と共存していけるのか?グローバリズムとは、自分を偽ることでも、迎合することでも、ましてや相手の価値をねじ曲げるものでもないのだと、あらためて教えてくれる作品をご紹介。他者との触れ合いや、変化し続ける自分、世の中までをも、きっと愛おしく感じさせる5冊です。
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正義と微笑
太宰 治(著)
「一生懸命勉強した先に残るのは、ひとつかみの砂金のみである。そんな経験こそが、心を広く耕し、愛することを教えるのだ。だから一生懸命学べ。そしてそれを全部役立てようと焦るな」恩師の言葉をきっかけに、狭い価値観で生きてきた主人公の世界が広がり始める。人と交わることの楽しさを教える青春小説です。
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老妓抄 改版
岡本 かの子(著)
幼い頃、ものを飲み下すという行為が苦手で、偏食の限りを尽くしていた男が、長じて鮨屋の常連になる。「食べるという行為」が自分を汚すとなぜか本能的に捉えていた息子の生命を、母の創意工夫が救う。この母性愛を描いた掌編「鮨」は、人生における「未知なる世界ヘのスタート地点」の克服を心に沁みる筆致で贈る一篇。
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モヤモヤするなあ、どうも生きにくい世の中になってきているな、そう思いながら、じゃあどうするのが良いか分からずにまたモヤモヤを繰り返す。なんてことはありませんか?それ、この本で解消されるかもしれません。自分の殻を突き破りたい気持ちに背中を押してくれる、岡本太郎至言のエッセイ集。未来が変わるかも!?
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大聖堂
レイモンド・カーヴァー(著) , 村上 春樹(訳)
交通事故で幼い息子を亡くした夫婦と、孤独なパン屋の、心の交流を描いた「ささやかだけれど、役にたつこと」は、若夫婦の不安や喪失感、パン屋の心の渇きや失望も、まるで渦のように読者に襲いかかります。ですが、この共通言語を持たなかったはずの両者が顔を合わせた時、心に沁み渡る温かいものを感じるはず。
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カモメに飛ぶことを教えた猫
ルイス・セプルベダ(著) , 河野 万里子(訳)
猫が母カモメとした約束は「卵を食べない」「雛を育てる」「飛ぶことを教える」の3つ。南米作家が児童書として96年に発表し、世界中で今もなおずっと愛され続ける本書は、タイトルの通り、カモメに飛ぶことを教える猫を主人公に、「異なるもの同士」は心を通わせることができるのか?をテーマに描かれた作品です。
ブックキュレーター
本しゃべりすと/書籍PR 奥村知花1973年、東京生まれ。成城大学文芸学部卒。総合アパレル商社、レストラン業界を経て、2003年より書籍専門のフリーランス広報として独立。以後、新刊書籍のパブリシティ活動のほか、「本しゃべりすと」という独自の肩書きのもと、雑誌の特集記事や書評エッセイの連載執筆、ラジオ番組などでの書籍紹介を担当。近著に、自身の仕事の場を綴った、お仕事エッセイ『進む、書籍PR たくさんの人に読んでほしい本があります』(PHP研究所)がある。
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