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人はそこに何を見るのか――。かかしが活躍する物語
現実のかかしは畑の真ん中にボロを着せられて立っている光景がほとんどですが、児童文学の世界ではその姿はときにコミカルに、ときに恐ろしく、さまざまな描かれ方をしています。人に似ていながらも無言で立ち続けるその姿に、人は何を想像するのでしょう。イギリス、ドイツ、アメリカの作家たちが描いたかかしの物語を集めました。
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魔女の呪いで老婆に姿を変えられたソフィーは魔法使いハウルの家に住み込むことになりますが、ある頃から不気味なかかしがハウルの城を付け回し始めます。最初はソフィーも怖がりますが、次第にかかしに心を開き始め、それが呪いの謎を解く鍵に繋がります。ファンタジー作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの代表作です。
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かかしのトーマス
オトフリート・プロイスラー(作) , ヘルベルト・ホルツィング(絵) , 吉田 孝夫(訳)
『クラバート』の著者による子ども向けの物語。ある農家の一家によって作られたかかしのトリビックリ・トーマスは1年間畑を守り通しますが、秋になり仕事が終わったとき、ほろりと苦いエンディングを迎えます。ドイツの四季折々の自然や田舎の描写と、その一つひとつに感動するトーマスの無邪気さに心が温まります。
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かかし
ロバート・ウェストール(作) , 金原 瑞人(訳)
主人公の少年サイモンはお母さんとその再婚相手ジョーと一緒に夏休みを過ごすことになりますが、その生活に馴染めないでいました。そんなとき、近所で見つけた不気味な水車小屋に侵入したサイモンは、畑の向こうから家に徐々に近づいてくる三体のかかしの存在に気がつきます。子どもの心の闇に迫った力作です。
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かかしと召し使い
フィリップ・プルマン(作) , 金原 瑞人(訳)
「ライラの冒険シリーズ」のフィリップ・プルマンによる、ちょっと間抜けなかかしとそれに仕える人間の男の子ジャックの物語。心正しくも少し頭の足りないかかしは故郷のスプリング谷を取り戻すため賢いジャックや、敵であるはずの鳥たちの助けを借りながら、その使命をまっとうしようと奔走します。大人も子どもも楽しめる痛快な物語です。
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竜巻でカンザス州から飛ばされたオズの国で、少女ドロシーはかかしとブリキの木こりと臆病なライオンに出会い、皆で願いを叶えるためエメラルドの都へ旅に出ます。グリム童話に代わる新しい妖精物語を作りたいと願った著者よる、アメリカ児童文学を代表する名作です。かかしを主人公にした続きの物語も後に出版されています。
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