ブックキュレーターhonto編集員
思春期の子どもたちが想像したり考えたり、ラストまで一気に読める物語
現実認識をし始めた子どもたちは、魔法や偶然では夢が叶わないこともわかってきます。本を読んでいて不自然な人物描写やご都合主義に気づけば、想像力はうまく働かなくなり、夢は消えてしまいます。リアリズムの範囲内で奇跡がさり気なく用意されていたり、細部まで矛盾を感じさせないで、ラストシーンまで読了に耐えるような物語を集めました。
- 20
- お気に入り
- 1129
- 閲覧数
-
人は心の底からの願いがやっと叶うとき、胸が痛くなるほどの喜びを感じるものです。イギリス人作家、ファージョンの短編集に収められた「サン・フェアリー・アン」もそんな物語。美しいフランス人形が数奇な運命に翻弄されながらも歓喜のハッピーエンドに結びつける奇跡が、素晴らしい筆力とリアリズムで矛盾なく描写されています。
-
孤児のジュディは学費を援助してもらう代わりに、見知らぬ紳士に毎月手紙を書くことになりました。物語はすべてが主人公ジュディの主観を通して描かれているため、結末に大きな驚きと喜びが用意されていることに読者は気づきません。あしながおじさんの正体を知った上で再読しても、手掛かりを発見していくおもしろさがあります。
-
あらしのあと 新版
ドラ・ド・ヨング(作) , 吉野 源三郎(訳)
悲惨な戦争が終わり、オールト家の子どもたちは家族とともに新しい生活をスタートさせます。戸惑い、悲しみ、時に無気力に襲われながら、非常時には無我夢中で生きることに懸命だったと思い起こします。震災や災害と照らし合わせて復興には何が必要か、本当に自分のしたいことは何か見つめ直すのにもよいかもしれません。
-
クリスマスが近づいた寄宿学校では、少年たちがホリデーシーズン特有の問題を互いの知恵と勇気で乗り越えていきます。最初と最後に作者が読者に語りかけるという構成なので、物語の真実性が増し、登場人物にすんなり感情移入して楽しめます。ナチスドイツにも屈しなかったケストナーの剛健なメッセージを味わってください。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です