ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
異世界への散歩~「夜の世界」を描いた児童書
「世界の半分は闇のなかにあり、ファンタジーは夜の言葉を語る」とは、『ゲド戦記』で有名な作家ル・グウィンの言葉。夜の帳が下りてきてあたりが闇に包まれると、光あふれる昼の世界とは違った異世界―「夜の世界」が現れます。夜を魅力的に描いた児童書を紐解き、ひと時の幻想的な旅へと出かけませんか?
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ネコヅメのよる
町田 尚子(作)
「間違いない、今夜だ。」夜中に家々からそっと抜け出した無数の猫たち。町の路地を抜け、広場に集まった彼らが夜空に見たものとは―?愛猫家としても知られる作者による、毛の一本一本まで見えるような猫たちのイラストが秀逸。人間たちの知らない、夜の猫の世界が幻想的に描かれます。
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よるくま 2版
酒井 駒子(作・絵)
「ママ、あのね・・・。」眠る前のぼくがママに語った、不思議な夜のファンタジー。いなくなってしまった自分のお母さんを探す「よるくま」とぼくが、夜の冒険へとくり出します。チャーミングでいて、どこか陰影を感じさせるイラストにのせて、不思議な安心感を感じさせるストーリーが語られます。
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よるのようちえん
谷川 俊太郎(ぶん) , 中辻 悦子(え・しゃしん)
みんな家に帰り、静まり返った夜の幼稚園。すると、どこからともなく現れる「夢の子ども」たち。教室で、園庭で、遊具で、彼らの遊びが始まります。擬音語を駆使した谷川俊太郎氏のリズミカルな文と、写真の上にペインティングを重ねる手法により、ふだん見慣れた幼稚園の風景がまったく別の世界に見えてきます。
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ムーン・ジャンパー
ジャニス・メイ・ユードリー(文) , モーリス・センダック(絵) , 谷川 俊太郎(訳)
満月の夜、月明かりに誘われて庭に出てきた子どもたち。彼らは裸足になって思い思いに踊り、歌い、遊びます。『かいじゅうたちのいるところ』でも有名なセンダックによる幻想的なイラストが印象的。月光に照らされ、さながら「かいじゅうおどり」のごとく楽しげに躍動する子どもたちの情景が、いつまでも心に残ります。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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