ブックキュレーター哲学読書室
アメリカ思想史を日本語で学ぶための5冊
「アメリカ思想史」と言われてもいまいちピンと来ないという方はきっと多くいらっしゃるでしょう。実はアメリカ思想史という領域はいま米国で盛り上がっているのですが、これを日本語で学べる本は決して多くありません。ここではそのなかから5冊をご紹介します。【選者:入江哲朗(いりえ・てつろう:1988–:アメリカ思想史研究)】
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メタフィジカル・クラブ 米国100年の精神史
ルイ・メナンド(著) , 野口 良平(訳) , 那須 耕介(訳) , 石井 素子(訳)
本書の主役はプラグマティストたちですが、彼らをとりまく社会や文化が生き生きと描かれているという意味で、本書にはアメリカ思想史の醍醐味がつまっています。2002年にピューリッツァー賞を受賞した本書は、ときに厳しく批判されているものの、アメリカ思想史への誘いとしてこれ以上に強力な本はなかなかありません。
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近代への反逆 アメリカ文化の変容1880−1920
T.J.ジャクソン・リアーズ(著) , 大矢 健(訳) , 岡崎 清(訳) , 小林 一博(訳)
本書はいわば、アメリカ思想史の中〜上級者向けの本であり、邦訳者の方々のご苦労は察するに余りあります。原著初版は1981年なのでやや古いとはいえ、プラグマティズム勃興期の米国の知識階級について考えるうえで本書を避けて通ることはできません。『メタフィジカル・クラブ』よりもずっと手ごわい相手だと思います。
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アメリカのニーチェ ある偶像をめぐる物語
ジェニファー・ラトナー=ローゼンハーゲン(著) , 岸 正樹(訳)
『アメリカ哲学史』の訳者解説にも書きましたが、本書の原著が上梓された2012年は、アメリカ思想史にとって大豊作の年でした。しかしやはり、ニーチェの思想が米国でどう受容されたかを論じつくす本書は、哲学とアメリカ史双方に関する深い造詣なくしては書かれえないため、画期をとりわけ強く読者に印象づけました。
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火星の旅人 パーシヴァル・ローエルと世紀転換期アメリカ思想史
入江 哲朗(著)
1855年にボストンの名家に生まれ、日本を旅して東アジア論を著したあと、天文学者へ転身し火星運河説を唱えた──そんなローエルの数奇な生涯を、この拙著はアメリカ思想史という背景に照らしつつ論じています。『メタフィジカル・クラブ』および『近代への反逆』も、第2章と第5章でそれぞれ俎上に載せました。
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