ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
小さい体で大冒険!~ねずみたちの活躍する児童書
2020年は子年(ねずみどし)。そして古今東西の児童文学の世界で意外にも多く見られる、ネズミたちの活躍する物語。時に無邪気な子どもの象徴、時に勇気ある冒険家、そして時にアウトサイダー―。さまざまな顔を見せる彼らの物語に触れて、自分が今生きている世界をちょっと違った角度から見てみませんか?
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ねずみ女房
ルーマー・ゴッデン(作) , W・P・デュボア(画) , 石井 桃子(訳)
夫や子どもに囲まれ、平凡な毎日を送る一匹のネズミ。ある夜、彼女は野を自由に飛ぶことを夢見る捕われのハトに出会い、逃げる手助けをしますが・・・。「児童文学」という枠をこえ、「はるかなるもの」への普遍的な憧れを描いた珠玉の一冊。最後にネズミが見た「星」とは何を意味するのか。是非考えてみてください。
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放課後の時間割
岡田 淳(著)
学校の屋根裏に住んでいる「学校ネズミ」。二本足で歩き、人間のことばを話せる彼らが毎週月曜の放課後に語る、不思議な話の数々。しゃっくりが止まらなくなる話、虹色に変わる潜水艦の話、雪を止める話、戸棚のマリオネットの話・・・。作者の小学校教師時代の経験ももとになっている、魅力的な短編集。
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リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険
トーベン・クールマン(作) , 金原 瑞人(訳)
1912年、ドイツのハンブルクにいた一匹の知りたがりの小ネズミ。彼は人間たちのしかけた罠や天敵から逃れるため、飛行機を作って「自由の国」を目指すことに。圧倒的な臨場感で、冒険心にあふれた一匹のネズミと一緒に旅をしているかのような感覚を味わえる一冊。作者は日本のジブリ作品の大ファンだとか。
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ねずみの騎士デスペローの物語
ケイト・ディカミロ(作) , ティモシー・バジル・エリング(絵) , 子安 亜弥(訳)
人間の姫に恋をしたハツカネズミ・デスペローと、闇の中で生きる一匹のドブネズミ。さらに、「いつかは自分が姫になる」と信じる召し使いの女の子が織りなす物語。光と闇、絶望と希望、そして憎しみと愛情―。2001年のNY同時多発テロにまつわる作者の後書きも興味深い、2004年ニューベリー賞受賞作。
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2012年に絶滅種に指定され、刊行当時は辛うじて作品のモデルである高知県幡多地方にも生息していたとされる二ホンカワウソ。彼らを救うために奮闘する、ネズミのガンバら「冒険者たち」のつらく重い旅のゆくえは―。生命、自然、自らの生き方・・・。過酷な旅の向こうに一筋の希望の光が見えてくる、珠玉の物語。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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