ブックキュレーター映画批評家 寺本郁夫
ディストピアマンガの力業をとことん味わう!
ディストピアマンガには、何かしら人の想像力を突き動かすものがあります。人間性が押し潰されるような過酷な世界で生き抜くたけじゃなく、世界を変えていく何かを持った主人公たち。そんな世界や人生にリアルを感じる私たちという存在にも、気づかされてしまう。強烈なイマジネーションとプロットと絵の力を持ったマンガ家5人の作品を選びました。
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風の谷のナウシカ 1
宮崎 駿(著)
アニメ作品にはないキャラの多彩さと物語の重層性。飛行シーンの疾走感、戦闘シーンの迫力、旅の情景の瑞々しさ・・・、マンガ作家としての宮崎駿の技術に驚嘆する。単純で潔い描線は、的確で細やかなニュアンスを描きだす。二人の王女の物語であり、種を超越した母と子の物語であり、世界の統合と再生の物語でもある。王蟲や巨神兵とヒロインとの会話には心揺さぶられる。
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手塚治虫の『どろろ』の本歌取り。1.奪われた身体を取り戻す主人公をヒーローからヒロインに移し変えてる。2.身体のパーツの分散という荒唐無稽な設定を未来のアンドロイドが跋扈する世界に移行させてる。3.バンド・デシネを思わせる絵を日本のマンガに移植してる。以上の三点で驚異的。機械の身体が生身の肉体を獲得していく過程で、怖れや哀しみ、愛が生成していくドラマが切ない。
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エイリアンの巨大な宇宙船が東京上空に居座る世界で、思春期の少女たちのあっけらかんとした日常が過ぎていく。少女とエイリアンの二つの世界はどこで交わるのか?浅野いにおの愛くるしさと残酷さが同居する少女像や、エイリアンのキモかわいいキャラのマリアージュを味わうだけで、ご飯三杯はいける。9巻で到来する慟哭の展開に呆然。ドラえもんの凄絶な換骨奪胎という側面も。
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ブックキュレーター
映画批評家 寺本郁夫映画批評家。80年代の季刊『リュミエール』に映画批評を発表。以来、TOWER RECORDSの『intoxicate』、『映画芸術』に映画批評を寄稿。映画の批評とはその映画の独自性を発見すること、および、その批評を通して映画とは何かを発見することと信じる映画原理主義者。さらに、映画批評は単に映画を発見するのみでなく、映画を表す言葉を発見しなければならないと信じる批評原理主義者。座右の銘はメルロ=ポンティの次の言葉。「(『語る』という現象において)話し手は語るに先立って考えるのではない。話す間に考えるのですらない。語るということが考えることなのである。」映画も読書も雑食性。好き嫌いなく食べます。
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