ブックキュレーター柳田由紀子
禅のある仕事場――わからないことだらけの時代を生きるために
「禅とは掃き清めること」。スティーブ・ジョブズが生涯師と慕った禅僧、乙川弘文の言葉です。我執を片づけて周囲や宇宙と調和する――。ジョブズは、禅を仕事に取り入れた事業家でした。パンデミック、大洪水、熱波・・・未知の厄災が次々と襲う今、山川草木とともに坐る、そんな感性を抱く禅と向き合うことで新たな地平が開けるはずです。
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ジョブズの隣にはいつもこの男がいた――乙川弘文。「スティーブは10日に1度は真夜中までうちにいたわ」(弘文元妻の証言)。2人の交流は、弘文が謎の死を遂げるまでの30年間続いた。弘文は何をジョブズに伝えたのか? 関係者への徹底聞き取りが浮き彫りにする、心に血を流しながらも利他に生きた「ジョブズの禅僧」の生涯。
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スティーブ・ジョブズ 1
ウォルター・アイザックソン(著) , 井口 耕二(訳)
本人公認の伝記が照らし出す「ジョブズと禅」、そして仕事。本書でジョブズは坐禅をこう語る。「じっと座って観察すると、自分の心に落ちつきがないことがよくわかる。静めようとするともっと落ちつかなくなるんだけど、じっくりと時間をかければ落ちつかせ、とらえにくいもの声が聞こえるようになる。このとき、直感が花ひらく。」
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沢木興道聞き書き ある禅者の生涯
酒井 得元(著)
禅の巨人、沢木興道の一代記。幼くして両親を亡くし、出された先は遊郭街。養父は博徒、養母は元娼婦。この世の〈泥池〉から〈蓮〉を咲かせた高僧の教えが、混沌の現在に響く。「どんなことに出会っても、乱れない。乱さない。これぞ大丈夫の仕事である」。興道は乙川弘文の師。つまりジョブズと興道は、弘文を通じて繋がっているのです。
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『般若心経』は釈迦の教えではない! 冒頭から衝撃的な『般若心経』の解説書。エキサイティングでありながら精緻をきわめた筆致で、日本でいちばん読まれている経典、最強の262文字を読み解いていく。禅では、『般若心経』をとりわけ大切に扱う。ジョブズも徹底的に学んだ泣く子も黙る「色即是空」の真の意味とは?
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ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ
ケイレブ・メルビー(原作) , ジェス3(作画) , 柳田 由紀子(訳)
老舗ビジネス出版社、フォーブスによるアメリカンコミック。現在世界14カ国で翻訳出版されている。『ゼン・オブ〜』の「ゼン」=「禅」。ジョブズのデザイン美学や企業哲学と、その根底にある禅や禅僧、乙川弘文の影響を瀟洒なタッチで描く。今夏、時価総額世界一に返り咲いたアップル社。国際的競争力を持つ製品開発のヒントがここにある。
ブックキュレーター
柳田由紀子1963年、東京生まれ。1985年 早稲田大学第一文学部卒業後、新潮社入社。月刊「03」「SINRA」「芸術新潮」の編集に携わる。1998年、スタンフォード大学他でジャーナリズムを学ぶ。2001年、渡米。現在、アメリカ人の夫とロサンゼルス郊外に暮らす。著書に『二世兵士 激戦の記録――日系アメリカ人の第二次大戦』(新潮新書)、『太平洋を渡った日本建築』(NTT選書)、『宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧』(集英社インターナショナル)、翻訳書に、『ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ』(集英社インターナショナル)、『木槿の咲く庭――スンヒィとテヨルの物語』(新潮社)ほか。趣味は、大相撲、温泉、西田佐知子。
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