ブックキュレーター財政学者 慶應義塾大学経済学部教授 井手英策
危機の今こそ、人間の命と尊厳を守る社会改革を
コロナは、日本社会に巣食う、悲惨な現実を暴き出した。僕たちは気づいてしまった。傍観を決めこみ、歴史の加害者になるのか。それとも、衰退に抗い、絶望に立ちむかうのか。時代はいま、僕たちの覚悟を静かに、だがハッキリと問うている。
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自由ーーこれほど人びとを魅了してきた言葉はめずらしい。だが、支配者たちはこの言葉を巧みに利用し、人間をより非人間的で不自由きわまりない生活へと追いやってきた。なぜ僕たちは自由に魅入られるのか。本当に自由に生きていくために求められる制度改革はいかなるものか。歴史とデータを駆使しながら、これらの巨大な問いに挑んだ、著者渾身の一冊。
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租税国家の危機
シュムペーター(著) , 木村 元一(訳) , 小谷 義次(訳)
財政社会学のはじまりの書。財政史の告げるところを聴くことのできる者は、世界史の轟を聴くのであるーー偉大なる社会経済学者シュンペーターの教えによれば、借金まみれの見すぼらしい日本財政は、社会の分断状況を見事に投影している。この引き裂かれた社会を僕たちはどう紡ぎなおすのか。コロナで見えた課題をどう解決していくのか。
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壮絶な収容所体験をもとになされる心理学者の人間分析。ユダヤ人の強制収容所のなかにあって、「いつか自分の真価を発揮するときがくる」と多くの人たちが信じていた。だがじつは、収容所のなかにこそ、その「とき」はあった。多くの人たちが過酷な状況にあるいまこそ、僕たちは人間の尊厳を守る闘いを始めねばならない。
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ケインとアベル 改版 上
ジェフリー・アーチャー(著) , 永井 淳(訳)
異なる出自を持つ、ふたつの命がすれ違い、そして重なり合ったとき、そこに残されたのは希望だった。成功と失敗、勝利と敗北が繰り返される人間の一生。だが、目先の利害得失ではなく、守り、貫くべきなにかを手にすることで、人間の、そして命の価値が決まることをこの本は教えてくれる。社会の価値もまた然り。僕たちは何を守り、そのために何を変えるのか?
ブックキュレーター
財政学者 慶應義塾大学経済学部教授 井手英策1972年、福岡県生まれ。東京大学卒業。東京大学大学院博士課程単位取得退学。専門は財政社会学。日本銀行金融研究所勤務などを経て大学で教鞭をとる。著書に『経済の時代の終焉』(岩波書店、大佛次郎論壇賞)、『富山は日本のスウェーデン』(集英社新書)、『いまこそ税と社会保障の話をしよう!』(東洋経済新報社)、『幸福の増税論』(岩波書店)、『ソーシャルワーカー』(共著、ちくま新書)『欲望の経済を終わらせる』(インターナショナル新書)など多数。
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