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明治日本が生んだ文化遺産。富岡製糸場について楽しく学べる本
富岡製糸場は明治時代に設立された官営模範工場であり、日本初の本格的な器械製糸工場です。日本の近代化を支え、絹産業の革新に貢献。ここで技術を習得した工女はその後、国内各地で指導にあたりました。2014年には、日本の近代化遺産として初めて世界遺産に登録されました。そんな富岡製糸場についてわかりやすく学べる本を紹介します。
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世界文化遺産富岡製糸場と明治のニッポン
熊谷 充晃(著)
富岡製糸場についての入門ガイドです。工場建設までの社会情勢や経済状況を、写真や図版、雑学を交えながらわかりやすく解説しています。給金や勤務体制、宿舎の様子など、工女の待遇の実態も詳しく紹介。当時の時代背景を含めて、富岡製糸場と関連施設の全貌を把握できる一冊です。
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富岡日記
和田 英(著)
長野県松代出身の伝習工女・和田英による自伝的回想録です。仕事や普段の生活の様子が詳しく記され、当時の率直な心情をうかがい知ることができます。工女たちの喜びや悩みは、現代に働く女性たちにとっても共感を呼ぶ部分があるでしょう。近代国家の礎を築いた明治の日本人の素顔が垣間見える、貴重な一次資料です。
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世界遺産〈富岡製糸場と絹産業遺産群〉建築ガイド まるごとわかる
富岡製糸場世界遺産伝道師協会(編)
富岡製糸場を建築物として着目した解説書です。田島弥平旧宅・高山社跡・荒船風穴等、絹産業にまつわる関連施設も含め、詳細にその特徴が記されています。写真やイラストが多く、説明も簡潔なので、見るだけでも楽しめるガイドです。殖産興業の旗印として明治日本を支えた、富岡製糸場の歴史的価値を視覚的に理解できます。
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初代工場長・尾高惇忠の娘にして工女第1号・勇の青春時代を描いた歴史小説。製糸場運営の苦難に始まり、父親への敬意と反発心、婚約者との葛藤、仲間とのいさかいや友情、生糸の世界水準達成などが熱く描かれます。近代日本の隆盛を支えた工女の奮闘と祈り、彼女たちを導いた指導者の情熱は、鮮やかな感動を呼びます。
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『富岡日記』を残した和田英をモデルとした青春小説です。縁談の先延ばしのために工女に志願した英。初めて出会う異国の技師の指導のもと、個性的な仲間たちとの共同生活のなかで、働く誇りと喜びに目覚めていきます。女同士の衝突や団結、幼馴染みとの淡い恋など、少女らしい心情と成長がみずみずしく活写されています。
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