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漫画家 道草晴子ブックキュレーター漫画家 道草晴子

人生に立ち止まってなやんでいる人へ、読んでほしい5さつ

人生は思うようにはいかないし、コロナの事で立ちどまってなやんでいる人はたくさんいると思います。そんなときいい本との出会いはきっと生きる力をくれるはず。

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    私の人生はよりみちばかりでいつも人よりおくれているようなあせりがありました。そんなときこのターシャ・テューダーの本と出会いその本の中の「近道を探そうとしないこと。価値のあるよいことには時間も手間もかかるのです」ということばにゆうきをもらいました。つらいときいつもよみかえしたい大切な1さつです。

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    私は発達障がいがあり、コミュニケーションでのトラブルばかりで不登校になりました。いつも自分はどうしてみんなと同じようにうまくやれないのか、そうなやんでいたときこの『窓際のトットちゃん』をよみ、トモエ学園の校長先生の「きみは本当はいい子なんだよ」ということばにゆうきをもらいました。そして私の1作目の『みちくさ日記』をかきだす前も、この本が大好きで、人とちがってもそれはその人のもつ「色」なんだ、そう伝えたくてマンガをかきだしました。これはそんな私にとってとても大切な1冊です。

  • ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと 時間・お金・ファンタジー

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    ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと 時間・お金・ファンタジー

    池内 紀(ほか著) , 小林 エリカ(ほか著) , 子安 美知子(ほか著)

    この本も私がまだマンガをかきだす前、そのときバイトもクビになりひとりぼっちでおちこんで本屋にいったときに本屋で出会った1さつです。私の人生は完ぺきとは程とおいし、なんて自分はダメなんだろう、そうおちこんでいたとき、エンデの「ユーモアは人は失敗するし、失敗してもいいんだと語ってくれる。そればかりか、わたしたちは足りないところがあるから愛される」ということばにえいきょうをうけました。「失敗しないで完ぺきな自分にならなくてもいい」というメッセージをヒントに失敗だらけの自分の人生をマンガにしよう、そう思いつき『みちくさ日記』をかきだしました。この本から私はたくさんのことを学びました。

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    この本と出会ったのは、『みちくさ日記』をかきあげ、2さつ目の『よりみち日記』をかきはじめたものの、うまくいかず立ち止まっていたときでした。この本の中に「雑草のような生き方」ということばがあって、私はこのことばがすきで、今の社会では一度レールから外れたらおしまい、とか、ある価値観の中からこぼれたら死ななければというかんじがあるんですが、どんなにうまくいかなくても雑草のようにしぶとく生きていけたらいいな、ということと、そして道をふみ外すともどるのは一歩ずつなんだけど、私が一歩ずつ気がとおくなるようなよりみちの日々でみたことをかこう、そう決意し、何度も立ちどまりながらもこの本でよみかえしてはゆうきをもらい、『よりみち日記』をかきました。そんな私に大きなえいきょうを与えてくれた本。

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    私はマンガ家になる前、本をかきたいけどなにをかいてよいかわからず、おもいなやんでいました。そんな時、私は坂口恭平さんという作家の本に出会いました。坂口さんは躁うつ病をわずらう精神病かんじゃであると同時に作家で、自分のことを赤ららにつづっていて、私もマンガでそんな本をかいてみたい、そう思って『みちくさ日記』をかきだしました。それから坂口さんがツイッターで『みちくさ日記』についてコメントしてくれたりして、あるとき、マンガがかけずうつになっていた私は坂口さんのいのっちのでんわにTELし、そのとき、坂口さんにこの『現実宿り』のヴィジュアル化をいらいされたのですが、「これをマンガにするなら道草しかいないよ!」といってくれました。まだ自分の作品をかくので精いっぱいで形にできていませんが、いつか絵にしたいです。そしてこの本は全てのなやみや、今感じていることも「ことば」の世界のことである、と気づかされるふしぎな本。無意識にアクセスできます。考えすぎてつらいときひらく本。

漫画家 道草晴子

ブックキュレーター

漫画家 道草晴子

漫画家。13歳でちばてつや賞ヤング部門優秀新人賞を受賞するが、14歳で精神科病院に入院。波乱万丈な半生を綴った『みちくさ日記』を2015年に刊行し、話題となる。続篇にあたる『よりみち日記』が発売中。

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