ブックキュレーターhonto編集員
あなたの好みに合うのはこっちかも!?近現代の文豪が手掛けた代表作以外の傑作選
一般的に「作者を象徴する作品」「優れている作品」が代表作と呼ばれています。しかし、人の価値観が千差万別である以上、世間の評価は絶対的なものではありません。もしかすると、あなたの嗜好に合う作品は、代表作の陰に隠れているかも知れません。近現代の文豪たちの、代表作に勝るとも劣らない傑作を精選しました。
- 7
- お気に入り
- 1361
- 閲覧数
-
中上健次の代表作「紀州サーガ」と呼ばれるシリーズで幾度も主役を務めた竹原秋幸。その母であるフサに焦点を当てた物語。壮大なシリーズの前日譚にあたる本書では、私生児フサの波乱万丈な半生が語られます。病死する夫、秋幸の父となる人物との出会い・・・。運命に翻弄されながらも強く生きるフサの、儚くもたくましい姿が印象的です。
-
絹と明察 改版
三島 由紀夫(著)
『金閣寺』などで知られる三島由紀夫が、近江絹糸争議をモデルに描いた長編小説。社長・駒沢善次郎のワンマン経営で業績を伸ばす駒沢紡績でしたが、露骨な管理体制に従業員は反感を抱いていました。やがて血気盛んな青年を中心にストライキが決行され、壮絶な争いに発展。家族主義的経営を通し、欧米の近代的思想と日本主義の対立を表現した意欲作です。
-
けものたちは故郷をめざす
安部公房(著)
敗戦後の満州を脱出し、祖国を目指す残留孤児・久木久三。その顛末を通して、アイデンティティの喪失を表現した冒険譚。逃走中に列車襲撃に遭い、荒野を横断することになった久三は、広大無辺の辺境で飢餓と酷寒に苛まれることに。死の淵に立たされながら彷徨する描写は濃密で、著者の類まれな筆力に圧倒されます。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です