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小さな世界に込められた想像力の結晶。ノーベル賞作家による魅惑の短編小説集
短編小説の魅力とはなんでしょう。空き時間に読めること?初心者向けなこと?それも魅力の一つです。しかし、豊かな発想と研ぎ澄まされた技巧の賜物である短編小説のクオリティは格別で、長編小説とは異なるおもしろさがあります。名立たる文豪たちも、長編小説以外にいくつもの短編小説を発表しています。ここではその一端を垣間見てみましょう。
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1934年にノーベル文学賞を受賞したピランデッロの短編小説集。2人の会話だけで進行する「貼りついた死」、著者のもとに登場人物たちが訪ねてくる「登場人物の悲劇」など15編を収録。独特の諧謔精神「ウモリズモ」提唱者による、類まれな人間観察力に裏打ちされた悲喜劇は見事のひと言に尽きます。
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フォークナー短編集 改版
フォークナー(著) , 龍口 直太郎(訳)
1949年にノーベル文学賞を受賞したフォークナーの短編小説集。裏切った男を抹殺する女の尋常ならざる執念を描いた「エミリーにバラを」や、父の仇討ちを期待する周囲の声に背を向ける息子を描いた「バーベナの匂い」など、アメリカ南部の因習をほのめかす8編を収録。後世に多大な影響を与えた作家の妙技を味わえます。
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ヘミングウェイ短篇集
ヘミングウェイ(著) , 西崎 憲(編訳)
1954年にノーベル文学賞を受賞したヘミングウェイの短編小説集。失敗を重ねる闘牛士の悪戦苦闘ぶりを描く「敗れざる者」、狩猟先で足の壊疽(えそ)に見舞われ、自暴自棄に陥りながらも回想に耽る小説家を描く「キリマンジャロの雪」など、著者特有の経験と主義を前面に打打ち出した作品が14編収録されています。
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ハインリヒ・ベル短篇集
ハインリヒ・ベル(著) , 青木 順三(編訳)
1972年にノーベル文学賞を受賞したベルの短編小説集。2冊目の短編集とそれ以降の短編小説を組み合わせた構成で、前半部は戦争と廃墟で生きる人々の物語を、後半部は戦後を舞台に政治的風刺を利かせた物語が堪能できます。第二次世界大戦の従軍体験を原点とする著者の文学的思想が反映された珠玉のラインアップです。
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