ブックキュレーターhonto編集員
文学でしか触れられない街へ。街や都市をモチーフにした幻想文学
旅に出て、知らない土地の景色を見る経験はかけがえのないものです。しかし、天災などの影響で、実際に現地に赴くのが難しいこともあります。そんなときは、本を手に「文学でしか触れ得ない街」へと冒険してみませんか。現実に存在する街や幻想都市をモチーフとしながら、リアルとはかけ離れた幻想的な読後感を強く残す小説を集めてみました。
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砂漠が街に入りこんだ日
グカ・ハン(著) , 原 正人(訳)
韓国語を母語とする著者が、あえてフランス語を用いて書いた本作は、デビュー作ながらフランス各誌を騒然とさせました。幻想都市「ルオエス(LUOES)」を舞台としながらも、垣間見える現実社会への眼差しに、静かなしたたかさを感じます。「越境」をテーマに描かれる8人の物語は、それぞれ独立したものとしても楽しめるはずです。
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表題作は、夢で話したマグロに導かれるように「海芝浦」へと向かう女性の物語です。主人公は電車に乗りながら、タイムスリップするように思考をスライドさせていきますが、その様子はさながら言葉の氾濫。レプリカントなどの不思議なイメージの中に、原発や沖縄返還問題など現実の事象を混ぜていく筆力に圧倒されます。
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ベルリンのなかを幾筋も走る、偉人に由来する通りそれぞれの名を冠した連作小説集。「あの人」に会うため異邦人の「わたし」は街を練り歩きますが・・・。多言語が行き交う不思議な響きと、ドイツの歴史の暗部から立ち昇る声を聴きながら深まる思索。シリアスでありながら、どこかユーモラスな部分も持ち合わせる一冊です。
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本書に収録された「犬狼都市」は、胎内に狼との子を宿す女の運命を描いた短編小説。その内容と耽美な描写が、リアルな都市小説ではなく幻想小説としての風合いを強めています。作中で語られる、オシリスを主神とする古の犬狼都市(キュノポリス)の戦乱と崩壊の様子には胸を打つ切実さが感じられるでしょう。
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