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日本古代史最大の悪役?蘇我氏の謎と魅力に迫る本
日本の古代史上、蘇我氏ほど「悪人」のイメージがついている氏族はいないでしょう。天皇をしのぐ権勢を誇るものの、中大兄皇子らに討たれて滅び、大化の改新へとつながる。歴史の教科書ではそのようにまとめられていますが、実際の蘇我氏はどんな一族で、いかなる功績があったのか?歴史を新たな側面から学べる本を集めました。
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蘇我氏と飛鳥
遠山 美都男(著)
6~7世紀、狭小な飛鳥の地には多くの宮が誕生しました。本書は、飛鳥の開発と蘇我氏の関わり、稲目・馬子・蝦夷・入鹿ら四代の特徴と変遷をわかりやすく解説。蘇我氏ゆかりの寺社や遺跡、古墳など、関連スポットも紹介しています。フルカラーで写真や図解も多く、楽しみながら古代日本の概要を学べます。
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謎の豪族蘇我氏
水谷 千秋(著)
旧来、逆臣として扱われてきた蘇我氏の、政治的功績を見直した論考です。丹念に文献を検証して諸説を検討し、戸籍や徴税などの実務面における彼らの行政能力の高さ、海外への視野の広さや先見性を評価しています。内容は広く網羅的で、文章は平易で読みやすい。蘇我氏に関する入門書にもうってつけです。
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蘇我氏の興亡を通して、日本の古代史を考察した論述書です。一族がいかにして繁栄し、国政を推し進めたのか。先進的な技術の導入や地方支配の推進など、日本が古代国家として成立する過程において、蘇我氏の果たした役割が解説されています。「乙巳の変」で本宗家が衰退したあと、生き延びた傍流についての詳細も載っています。
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蘇我蝦夷・入鹿 新装版
門脇 禎二(著) , 日本歴史学会(編集)
『日本書紀』の史料批判を通じ、蘇我蝦夷・入鹿について新しい人物像を導き出した学術書です。2人の名前の表記にも政治的意図があるとし、朝廷内部の勢力変化や対立関係から、蘇我本宗家滅亡事件を捉え直しています。1985年刊行ですが「蘇我氏=悪人」説に一石を投じた先駆的著作であり、現在も一読の価値があります。
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蘇我入鹿を主人公とする歴史小説。本編の彼は単なる暴君ではなく、己の信念と哲学のため独裁者を目指した傑物として描かれています。優れた知略と美学を持ち、野性と繊細さを兼ね備えた入鹿の不思議な魅力が存分に堪能できます。政敵との壮絶な権力闘争の果てに野望が潰えた男の最期からは、無念と哀愁が感じられます。
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