ブックキュレーター作家 佐伯泰英
勝手気ままで雑然とした生き方を表す
本業が物書き、あるいは小説家にとって読書は仕事からできるだけ遠い世界がいい。そんな視点から選んでみたら、古い建物、戦中戦後の時代、北欧スウェーデン、地中海文化圏の島になった。
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全51巻の大長編シリーズの序というべき三人の青年武士の帰国の情景から物語は始まる。20年余、付き合ってきた小説は三人の友の希望に満ちた藩政改革が一夜にして瓦解し、友ふたりを失う悲劇を描いた短編を利用して、始まった。筆者自身、この短編が長大な物語になるなど夢想もしなかった。
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惜櫟荘だより
佐伯 泰英(著)
時代小説文庫書下ろしで陽の目を見て、不景気の極だった熱海に相模灘の見える仕事場を得た。そんな私が岩波茂雄の願いで数寄屋建築の名手吉田五十八が建てた別荘惜櫟荘の持ち主、「番人」になろうとは。建物の解体・修復を通じて私に違う世界を教えてくれた。初エッセイは2014年度「日本建築学会文化賞」のおまけつきだ。
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柑橘類と文明 マフィアを生んだシチリアレモンから、ノーベル賞をとった壊血病薬まで
ヘレナ・アトレー(著) , 三木 直子(訳)
コロナ禍下、数少ない趣味の海外旅行ができない。最後に旅したのが南イタリアからシチリア島だった。ナポリからシチリアのパレルモ行きの夜船の寝台でこの本に接した。熱海に仕事場を得た折、最初に庭に植えたのがオリーヴとレモンの木だった。オリーヴは大きく育ったが、レモンは育たないななどと想いながら眠りについた思い出の大著だ。
ブックキュレーター
作家 佐伯泰英1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、〈文庫書き下ろし時代小説〉という新たなジャンルを確立する。おもな著書に、「居眠り磐音」「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「密命」「吉原裏同心」「吉原裏同心抄」「夏目影二郎始末旅」「鎌倉河岸捕物控」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「空也十番勝負 青春篇」各シリーズなど多数。2018年、菊池寛賞受賞。佐伯泰英ウェブサイトhttps://www.saeki-bunko.jp
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