ブックキュレーター文芸評論家 末國善己
当代きっての目利きが選ぶベスト時代小説2020~末國善己選 江戸編~
文芸評論家・末國善己が選び抜いた2020年度の歴史時代小説ベストテン、今回は江戸ものを中心に紹介!新型コロナで環境が大きく変わった今だからこそ読みたい、先人たちの苦悩や困難、そこからの復興・再生の物語が、歴史時代小説にはたくさん詰まっています。注目の新人の作品にもぜひご注目ください。
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女弟子を殺した浮世絵師が別人の犯行に偽装する「浮世絵の女」、多くの患者に恨まれていた医者が毒殺される表題作などの三作は、倒叙ミステリなので犯人は冒頭に明かされるが、動機や殺害方法が隠されており、それが犯人と剣之介の攻防を、よりスリリングにしていた。
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下水道の調査や現代でいえばアイドルの追っかけが趣味なため、変人と思われている幕臣の明楽久兵衛は、追っかけていた芸者が殺されたことで陰謀に巻き込まれる。単純に思えた事件が実際に起きた大事件につながり、史実と虚構の混交が鮮やかである。謎が解かれるにつれ、為政者の責務や社会の公平性とは何かなどのテーマが浮かび上がるので示唆に富んでいた。
ブックキュレーター
文芸評論家 末國善己1968(昭和43)年、広島県生れ。明治大学卒、専修大学大学院博士後期課程単位取得中退。時代小説、探偵小説を中心に、幅広く文芸評論を執筆。おもな著書に『時代小説で読む日本史』『時代小説 マストリード100』『夜の日本史』など。『国枝史郎歴史小説傑作選』『山本周五郎探偵小説全集』『岡本綺堂探偵小説全集』『小説集 竹中半兵衛』『決戦! 大坂の陣』をはじめ、全集やアンソロジーの編著も数多く手がける。日本推理作家協会会員。
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