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文芸評論家・書評家 西上心太ブックキュレーター文芸評論家・書評家 西上心太

藤井フィーバーに乗り遅れるな!珠玉の「読む将」ブックガイド リアル篇

およそ4半世紀前、羽生善治が7大タイトルを独占するかという時に、将棋界がにわかにマスコミに取り上げられ大騒ぎになったことがあったが、近年の藤井聡太ブームはその時を上回っているのではないか。実は近年、藤井フィーバーにさきがけて、将棋をテーマにした小説やノンフィクションの充実が著しい。「読む将」ファンに向けて珠玉の将棋本を一気に紹介!

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  • 真剣師とは、将棋の勝負に金を賭け、その収入で生計を立てる者たちのことだ。小池は将棋雑誌のお好み対局とはいえ、タイトル経験のあるプロ棋士相手に角落ち、香落ち、平手で三連勝を飾ってみせる。もちろん「本職」の真剣勝負でも無類の強さを発揮する。だがプロ編入の話が出るなど運気が上向いても、金銭や女性問題などでことごとくチャンスを逃し、やがて落魄して死を迎えてしまう。破天荒で悲しい男の半生を描いた傑作評伝だ。

  • 幼いころから宿痾を患いながら、打倒羽生を目指し将棋一筋に突き進み、29歳で亡くなったA級八段・村山聖の生涯に寄り添った本書。読みかえすたびに涙を誘われてしまう。挫折と夭折。同じ将棋に命を賭けながら、百八十度違う人生を送った二人だが、団鬼六『真剣師 小池重明』と大崎善生『聖の青春』の2冊はどんな将棋本のリストからも外すことはできない作品だ。

  • 現在奨励会の3段リーグには女性が2人いるが、まだこの厳しいリーグを抜けてプロ棋士になった女性はいない。将棋界には女流棋士と呼ばれる棋士がいるが、彼女たちは棋士とイコールではなく、あくまで別の基準で選ばれた存在なので誤解なきよう。1974年に6名が女流棋士として認定された。現在は現役だけでも60名を超す陣容になり、対局はもちろん普及活動でも大きな役割を果たしているし、プロ棋士に引けを取らない実力者もいる。この世界を舞台に、3人の女流棋士たちの戦いと葛藤を描く。作者の橋本長道は奨励会に在籍し、一級で退会したという経歴の持ち主。

  • 江戸時代は将棋も家元制度が確立しており、三家が幕府の庇護を受けていた。江戸時代末期、幕府も家元もその権勢に陰りが出ていた頃、登場したのが家元の弟子をやめ、野に下った天野宗歩である。後に家元制度における最後の名人・八代目伊藤宗印となる上野房次郎に敗れた市川太郎松。その太郎松が物語の主人公だ。敗戦の痛手で江戸を離れ京に上り、賭将棋で世過ぎをしていた太郎松だったが、天野宗歩も薫陶を受けた大棋士・大橋柳雪が身分を隠し太郎松と対戦する。太郎松は大駒落ちで柳雪に完膚無きまで叩きのめされ、荒れた将棋をたしなめられる。一念発起した太郎松は宗歩に弟子入りし、自己流の将棋を立て直し一剣を磨いていく。家元対在野棋士の戦いを描いた、将棋小説の古典である。

  • 古今の将棋に関するエッセイが多数収録されているのが後藤元気編『将棋エッセイコレクション』だ。観戦記者、作家、ライター、プロ棋士・・・。「読む将」初心者にぴったりな作品だと思う。大崎善生編の『棋士という人生 傑作将棋アンソロジー』も併せて。大川慎太郎『証言 羽生世代』、野澤亘伸『師弟 棋士たち魂の伝承』、樋口薫『受け師の道 百折不撓の棋士・木村一基』、杉本昌隆『弟子・藤井聡太の学び方』、先崎学『将棋指しの腹のうち』なども近年上梓されたノンフィクション、インタビュー集、エッセイの収穫(の一部)である。

文芸評論家・書評家 西上心太

ブックキュレーター

文芸評論家・書評家 西上心太

1957年東京都荒川区生まれ。早稲田大学法学部卒。文芸評論家、書評家。 早稲田大学在学中はワセダミステリクラブに在籍。現在、日本推理作家協会の常任理事、同協会賞短編部門の予選委員を務める。主にミステリー作品の評論をしており、数々の推理小説で巻末解説を寄稿。現在、「毎日新聞」「小説宝石」「小説幻冬」ほかに書評、コラムを連載。マルタの鷹協会日本支部の事務局長であり、2008年から将棋ペンクラブ大賞の最終選考委員も務める。共著に「日本ミステリベスト201」、傑作警察小説アンソロジー『矜持』(PHP文芸文庫)の編者などを務めている。

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