ブックキュレーター庶民文化研究所 所長 町田忍
忘れてはならない、大衆文化の真髄が蘇る。
高価な美術品は大切にされ後世に残る。反面大衆文化の中で長年培われてきたものほど記録されることは少ない。本来それらこそ記録され後世に伝えるべき文化ではないだろうか。今回紹介した本はどれもが、ともすれば歴史の中に埋没してしまう対象に光を当てたものである。
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職人の手 16 PROFESSIONAL STORIES
山崎 真由子(著)
職人というと、ともすれば伝統的なイメージが強い。本書は16人の職人が登場している。ガラスペン・ビヤホールご主人・クリーニング師・活版印刷家等々どれもが手仕事の職人であり、庶民文化における巧みな技の持ち主だ。ちなみに紹介写真は著者自身によるもので、それだけでも一枚の作品になっている。
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裏昭和史探検 風俗、未確認生物、UFO…
小泉信一(著)
著者は新聞記者歴35年のベテランで現在は編集委員である。記者時代から大衆文化を主に現在でも全国津々浦々を訪ねている。紹介項目は、ロマンポルノ・愛人バンク・覗き部屋・アルサロやツチノコなどの未確認生物・UFO伝説をたどる等、権威とは無縁な大衆の情念の世界が凝縮されている。
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千ベロの聖地「立石」物語 もつ焼きと下町ハイボール
谷口 榮(著)
「千ベロ」とは千円あればベロベロに酔っ払うことができる、という意味である。著者は葛飾生まれで現在も在住。現在開発が決まり姿が変わる葛飾区の立石周辺にある、もつ焼き・煮込み店・下町ハイボールなどを取りあげている。さらにそれらの店の食器のサイズや、建築学的にも貴重な店の見取り図まで紹介しているのは脱帽。
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昭和遺産へ、巡礼1703景 47都道府県108スポットからノスタルジックな佇まいを
平山 雄(著)
全国巡礼1703ヵ所から厳選した108景をカラーで紹介した力作。どれもがひなびた街の哀愁ただよう純喫茶・遊園地・廃墟ビル・秘法館・スナック等を紹介。昭和生まれの人ならば必ずどこかで見た風景を思い出すだろう。しかしこれらの多くは絶滅危惧の状態であることも事実だ。正に昭和遺産の保存版である。
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私が銭湯に興味を抱いて40年近くになる。来日した外国の友人から「銭湯はなんでお寺みたいなの?」という質問に端を発して以来、銭湯の記録をしてきた。その過程で出てきた謎を丹念に解いてきて実に多くの回答がでた。銭湯は正に私の知的好奇心を奮い起こしたのであった。本書では江戸混浴銭湯ジオラマ他、銭湯を多面的に紹介している。
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ブックキュレーター
庶民文化研究所 所長 町田忍1950年東京生まれ。大学卒業後、警視庁警察官を経て、庶民文化における風俗意匠の研究を続ける。パッケージ、空き缶類をはじめ、さまざまなものを多岐にわたって収集し、それらをテーマにあらゆる角度から調査研究している。とくに銭湯研究にかけては第一人者で、自他ともに認める銭湯博士。『銭湯:「浮世の垢」も落とす庶民の社交場』(ミネルヴァ書房)、『東京マニアック博物館 おもしろ珍ミュージアム案内決定版』(メイツ出版)、『町田忍の昭和遺産100』(天夢人)ほか著書多数。TBS「マツコの知らない世界」、NHK「チコちゃんに叱られる」などTV出演も多数。
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