ブックキュレーター文筆業 矢内裕子
本をともしびに集まろう。一人で本と対話する時間こそが、誰かとつながる扉を開く。
本を読むこと、本について語ることは、孤独な読書が世界を広げる鍵であることを教えてくれる。本があるから会えた人たち、語り、聞くことができた言葉について教えてくれる、素敵な本たち。
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イラン革命後のテヘランでヒジャブの着用を拒否し、大学を辞した著者は、自分で選んだ7人の女子学生とともに、秘密の読書会を始める。ナボコフの『ロリータ』、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』など、禁じられた欧米文学を読むことは、女性たちの人生をわかちあうことにつながっていく――18年間の記録をつづった、世界的なベストセラーだ。
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貧困地区の学校でボランティア教師として働き、子どもたちに読書の楽しみを教えた著者。手応えを感じながらも学校が廃校となり、ロースクールへ進学した著者は、やがて最も才能があった生徒が殺人を犯したと知る。拘置所を訪ね、ともに本を読むことで青年の心に寄り添うことは、自らを知り、他者への理解を深めることでもあった――読書の可能性を伝えてくれる記録。
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1年間、ボランティアとして、刑務所での読者会運営に関わった著者によるノンフィクション。刑務所内での本を通したやり取りを通じて、囚人たちはみずからの喪失感や怒り、孤独、贖罪について語り始める。読書の楽しみを知り、異なる意見を持つ人間の話に耳を傾けることができるまでに、変わっていく姿が胸に迫る。
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儒学の学習のために始まった読書会である「会読」は、身分制社会の中で例外的な場所、自由で平等なディベートの集いとなった。本を読み、語ることで他者を対等に受け入れ競い合う――喜びと遊びを可能にした会読について、具体的な例とともに、その歴史を語る。
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華氏451度――それは紙が自然発火する温度。1953年に書かれた本作の舞台は本が見つかると「ファイヤマン」が出動し、ただちに本は燃やされ、所持者も逮捕されるという、本が有害とされている社会。ファイヤマンである主人公・モンターグは本を読む人々出会うことで、少しずつ変わっていく。インターネットが普及した今、ますます社会は『華氏451度』の世界に近づいていないだろうか。
ブックキュレーター
文筆業 矢内裕子文筆家ときどき編集。東京都文京区育ち。出版社で書籍編集者として勤務後、独立。担当した本に角田光代『古本道場』、三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』、いとうせいこう『ボタニカルライフ』など多数。著書に『落語家と楽しむ男着物』、萩尾望都さんとの共著『私の少女マンガ講義』がある。現在、橋本治さんへのインタビュー集を準備中。note:https://note.com/yanaiyuko
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