ブックキュレーター文筆業 矢内裕子
からだの声を聴いている? 自分であるはずの〈からだ〉は自然に近い、不思議に満ちた存在だ。自分のからだを理解するための、さまざまなアプローチを読んでみたい。
自分のからだは自分のものなのに、うまく動かなかったり、不調が起きる、謎に満ちた存在だ。自分のからだに翻弄されるが一番の神秘? からだの謎と秘密を解き明かす本は冒険を読むような面白さだ!
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整体入門
野口 晴哉(著)
「自分の症状を自分で癒したい」と思っている人に、お薦めなのが本書。あらゆる整体の始祖的存在と言われる野口晴哉の整体法が明快に書かれている、1968年から読みつがれてきたロングセラーだ。体の自発的な運動を誘導する「活元運動」や「体癖」といった著者ならではの考えから、すぐに実践できるシンプルな操法と原理がまとめられている。
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身体能力を高める「和の所作」
安田 登(著)
古典芸能の演者たちが高齢になっても健康で美しく動く様子には、感嘆させられる。自身も能楽師・ロルファーでもある著者が、「すり足」「呼吸法」など和の所作について具体的に説明してくれる。読者も実践できるエクササイズも入った、入門書としても読める1冊だ。
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どもる体
伊藤 亜紗(著)
自分のからだなのに「ままならさ」を感じることはないだろうか。どもるとは「体のコントロールがはずれた状態」だと著者は言い、「しゃべる」ことの多様性について光をあてていく。「私たちは本質的に自分のからだがやっていることにほぼ無知だ」という言葉に出会うとき、吃音という謎が読者のものになっているだろう。
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脳のなかの幽霊
V.S.ラマチャンドラン(著) , サンドラ・ブレイクスリー(著) , 山下 篤子(訳)
からだについて考えていると、脳の不思議な働きに行き着く。切断された手足がまだあると感じる「幻肢」、自分のからだが他人のものであると感じる患者――驚くべき症例をとりあげながら、著者は脳の働きの原理を説明していく。自分が生きて、今あることの不思議を感じさせてくれる本だ。
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奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき
ジル・ボルト・テイラー(著) , 竹内 薫(訳)
漫画『ブラックジャック』で、主人公が自分の手術をおこなう場面の、冷静な解説に痺れた。ハーバード大学で脳神経科学の専門家として活躍していた著者もまた、自身の経験を専門的な立場から読者に説明してくれる。脳卒中に襲われ、一命はとりとめたが、多くの機能を損傷してからリハビリを経て復活するまで――奇跡のような8年間の記録だ。
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ブックキュレーター
文筆業 矢内裕子文筆家ときどき編集。東京都文京区育ち。出版社で書籍編集者として勤務後、独立。担当した本に角田光代『古本道場』、三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』、いとうせいこう『ボタニカルライフ』など多数。著書に『落語家と楽しむ男着物』、萩尾望都さんとの共著『私の少女マンガ講義』がある。現在、橋本治さんへのインタビュー集を準備中。note:https://note.com/yanaiyuko
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