ブックキュレーターhonto編集員
生き物から学ぶ。動物の生態から社会の課題や人としての生き方を考える本
人間は万物の霊長といわれ、繁栄を謳歌しています。私たちは特別だと思いがちですが、実は、人間顔負けの能力を持った生き物もたくさんいるのです。これまで人間は、多くの動物の住む場所や命を奪ってきましたが、ここに紹介した本を読めば、生き物に対する見方が変わるはずです。人間中心の社会を見直し、生き物との共生を考えてみましょう。
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ホンソメという魚は、自分やお隣さんの顔をちゃんと見分けているそうです。こうした自己意識や自己認識の能力は、霊長類など一部の動物にしか認められていませんでした。しかし、魚の知能研究の第一人者が、ユニークな実験を重ねてその定説を覆していきます。魚を見る目が変わること間違いなしの一冊です。
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言葉によるコミュニケーションによって人間は社会を発達させてきました。加速する情報社会では、ネット上の悪口や中傷、フェイクニュースなど言葉による意思疎通のほころびも目立ちます。ゴリラは言葉でなく身体感覚で交流し、裏表のない信頼関係を築きます。その生態から、人間が直面する意思疎通の課題を鋭く指摘しています。
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ウナギは泥から生まれる、と述べたアリストテレス以来、人間はその成長過程の謎に挑んできました。本書は、未だ謎多いウナギの生態を解説しつつ、著者とその家族の歴史を重ね合わせ、人生とは、生きるとは、死とはといった哲学的命題にいざないます。人はどこからきてどこへ行くのか、ウナギを通して深く考えさせられます。
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ビーバーが池や川に造ったダムによって、雨期には道路や家屋が浸水します。迷惑した人々はビーバーを大量に駆除しますが、生態系が乱れ土地が荒れていきます。慌てた人々は、今度はビーバーの保護に乗り出します。人間の都合によって振り回されるビーバーを通して、人間中心の価値観の歪みを描き、共生の大切さを訴えます。
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野生動物の死は、感染症対策の観点からその原因の究明が必要です。しかし、実際に検死をすると、感染症だけでなく交通事故や虐待、人間が不用意に投棄した化学物質や油による大量死など、人間がその原因であることも多いのだそうです。人と野生動物が互いの領域を守りつつ、どのように共生していくべきかを考えさせられます。
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