ブックキュレーターhonto編集員
あなたの身近にも!?日常を浸食する「異質」な存在を描いた小説
ありふれた日常が「異質」な存在に支配されているとしたら・・・。当たり前すぎて見落としているものや、自分には関係がないと思っているものが、私たちの生活に影響を与えているという可能性は誰にも否定できません。ここで紹介する「異質」な存在に日常を浸食される人々の物語が、普段の暮らしを見つめ直すきっかけになるかもしれません。
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銃
中村 文則(著)
主人公が拳銃を拾う場面から始まる物語。銃という日常生活からかけ離れた異物を手にしたことで、彼の人生は大きく変化することに。実体を持つ凶器の銃が、心の内に隠した凶暴性を駆り立てていくさまが淡々とした文体で描かれます。主人公が絶望に突き進む姿は背徳的なのに、不思議と惹きつけられてしまうはずです。
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近所で有名な「むらさきのスカートの女」と呼ばれる奇妙な人物に興味を持った主人公。さまざまな手段で彼女に近づこうと試みますが、なかなかうまくいきません。喜劇にも思える物語ですが、「むらさきのスカートの女」を観察する主人公の視点を通して、読者は次第に歪んでいく日常の不安定さを感じることでしょう。
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外套・鼻 改版
ゴーゴリ(作) , 平井 肇(訳)
「外套」の主人公は冴えない小役人です。彼は高価な外套を新調したことで幸福を噛み締めますが、それが原因で悲劇に見舞われ命を落とすことに。しかし物語はそこで終わらず、亡霊となった主人公が外套を求めて街をさまよい始めて・・・。慎ましく生きる人々への、ゴーゴリなりの哀憐が感じられます。
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とある理由から東北に移住することになった高橋一家。転居先の古民家で「座敷わらし」と出会い、それをきっかけにして家族が次第に絆を深めていく物語です。父と母、娘と息子、祖母という5つの視点から物語が構成され、どの立場で読むかによっても違った味わいがあります。秀逸なオチには思わずニヤリとしてしまうはずです。
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