ブックキュレーターhonto編集員
知性が困難を切り開く!?熱い信念を感じる驚愕のノンフィクション本
虐待・貧困・病気・戦争・挫折・・・さまざまなかたちで人を襲う、抗いがたい困難。しかしそんな暗闇の中で、勉学や教育、それらで身につく知性に希望を見出した人々がいます。柔軟に研ぎ澄ませた思考とたゆまぬ努力の果てに取り戻した、かけがえのない人生。現実とは思えない驚きと、そんな状況さえ乗り越えた信念を感じる本を紹介します。
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もしも親や兄弟が狂信的な宗徒で、戸籍はなく、学校にも病院にも行けない環境で育てられたなら・・・あなたはどうやって生きて行きますか?暴力と洗脳に満ちた壮絶な現実と、それでも学問に光を見出して生き抜いた、著者の不屈の精神に胸を打たれます。読み手の人生さえ変えてしまうような、ある少女が自らの半生を綴った自叙伝です。
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引きこもりにうつ病、さらに消化器系の難病「クローン病」。そんな数多の苦しみにあえぐ著者が千葉の片隅から活路を見出したのは、なんとルーマニア!パソコンやタブレットでの映画視聴、Facebookによって広がるルーマニア語学の輪。新時代的なサバイバル力とルーマニア文化への熱い愛情がほとばしるノンフィクションエッセイです。
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第二次世界大戦下のアウシュヴィッツ強制収容所。ユダヤ人の著者も連行されながら、歯学生としての知識と母が持たせた診療道具によって生還できたという実話です。肉体労働の代わりに兵士を診察し、死体から金歯を抜く。おぞましい現実を切り抜けた機転はもちろん、敵味方問わず支援された著者の人間性にも感銘を受けることでしょう。
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多剤耐性菌とは細菌の中でもあらゆる抗生剤の効かないもので、近年、世界中で増加しています。感染症学の権威である著者の前にも突然、なんと夫を蝕む細菌が現れ・・・。長年の知見と経験をかけた治療でも一進一退の攻防が続く過程は、まさに死闘。原書の刊行は2018年ですが、コロナ禍を踏まえるとまた読み方が変わってくるでしょう。
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著者は日本・東アジアを専門とする歴史学者であり、躁うつ病を発症して学界を辞した経歴の持ち主。絶望をさまよった闘病と、並行した平成期における国内外の政治情勢との双方を解説した異色の人文書です。題名そのままに、病で失いかけながらも取り戻した、複雑な病も時代も改めて問い直す真摯な知性が息づいています。
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