ブックキュレーターhonto編集員
名翻訳家による、言葉の専門家ならではの視点で綴られたエッセイ集
翻訳家には名文家が多いと言われています。翻訳は訳せばいいというものではなく、文章の状況や文脈の機能、表現の意図を考慮しながら訳す必要があります。ときに原文以上に優れた表現効果をもたらす訳文もあるほどです。ここでは、著名な翻訳家の日々の思索や翻訳業に対する思い入れなど、言葉の専門家ならではの視点で綴られたエッセイを集めました。
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近現代の英米文学翻訳の第一人者である柴田元幸の、過去30年間の言葉が読める一冊です。翻訳に対する視座や心構え、哲学やエッセンスが凝縮されています。穏やかな語り口で、原著に対する誠意、翻訳のおもしろさと難しさ、真摯な志などが熱く軽妙に綴られた名言集です。
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『赤毛のアン』シリーズの翻訳で知られる村岡花子のエッセイ集です。タイトルはアンのセリフから取られたもの。彼女の人生に影響を与えた人々との思い出が描かれています。時勢を反映した内容なので現代と事情の隔たりはありますが、平易で率直な文体に勤勉家で温かな人柄が感じられます。巻末には、養女のみどりによる後記も掲載されています。
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ねみみにみみず
東江 一紀(著) , 越前 敏弥(編)
英米の小説やノンフィクションなど数多くの作品を翻訳した文芸翻訳家・東江一紀の追悼エッセイ集。生前に連載していたコラムを再編集したもので、日常生活の逸話や翻訳業の多忙さ、厳しい生計ぶりが、洒脱なダジャレや言葉遊び、ジョーク満載で書かれています。
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イリノイ遠景近景
藤本 和子(著)
アメリカ文学翻訳家・藤本和子の随筆集です。イリノイ州ののんびりした暮らしのなかに潜む、アメリカの人種差別や貧困問題、先住民文化、世界大戦の深い傷など、人間と歴史の変遷を誠実に考察します。1994年に出版された本ですが、今なお色褪せていません。良質なロードムービーのような臨場感のある趣きと滋味のある名著です。
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