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現代を逆照射する。はじめてのディストピア海外小説
ディストピア小説には現実を寓話的に描くことで批判したり、未来を予見したりする側面があると言われています。数ある傑作の中には、今ある現実がいつディストピアに変わってもおかしくない!という危機感を感じさせるものも多くあります。今の現実がディストピアにならないための教訓が得られる、そんな海外小説を紹介します。
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農場園主の人間を追い出して、動物だけの楽園を作ろうとしたところ、リーダーとなった3匹の豚たちは独裁的になり始め・・・。ジョージ・オーウェルといえば『1984』が有名ですが、『動物農園』は当時の社会主義への強烈な批判として書かれた寓話です。誰もが平等な生活を送れる社会主義的なユートピアなどない、という思想が貫かれています。
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時は西暦2540年。人類は快楽薬の配給やフリーセックスの奨励などによって、不平や不満とは無縁の「ユートピア」を達成しました。ところが、未開社会からやってきたジョンや「異端児」たちは疑問を抱きます。豊かでも、すべての行動が決定されている自由のない社会で暮らすことは幸せか?未来を予見したと言われているディストピア小説です。
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時計じかけのオレンジ 完全版
アントニイ・バージェス(著) , 乾 信一郎(訳)
近未来の高度管理社会で暮らす15歳のアレックスは、決まり切ったルーティンの生活にうんざりしています。その反動で仲間たちとともに暴力的で致死的な犯罪行為を、嬉々として行うようになりました。ところが国家に捕まってしまい、矯正されることに・・・。スタンリー・キューブリックが監督を務めた映画も有名な、名作です。
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23分間の奇跡
ジェームズ・クラベル(著) , 青島 幸男(訳)
戦争で負けた国の小学校の初めての授業で、生徒たちはどんな先生が来るのか戦々恐々としていました。ところがやってきたのは、人当たりのいい外国人の女性教師でした。生徒たちはみないい先生だと感じ、たった23分間で自分たちの価値観が間違っていたと、教師の主張を受け入れます。いろいろなことを考えさせられる物語です。
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