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はじめての小泉八雲。明治の外国人作家が見た日本と世界
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンは、ギリシャに生まれ、世界各地を転々としながら、1890(明治23)年に39歳で来日します。島根県松江で小泉セツと出会い、彼女の語る話をもとに代表作「耳なし芳一」などを英語で書いて海外に紹介します。『怪談』のほか、紀行文、エッセイ、レシピ本まで、小泉八雲を知ることができる本を紹介します。
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現在、私たちが彼の作品として読んでいるものは、英語で発表されたものを日本語に翻訳し直したものです。本書は、怪談や伝説、エッセイなど約80作品と、家族や交流のあった文学者が残した八雲に関する文章。妻セツの「思い出の記」には、八雲との日々がありのまま綴られていて、彼の人柄や性格を垣間見ることができます。
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八雲は妻セツから聞いた話を再話し、海外向けに『KWAIDAN』として発表します。本書は芥川賞作家・円城塔が八雲の英語本文から直訳し、当時の英語圏読者の読みを追体験できる一冊です。「ミミ・ナシ・ホーイチ」など、音だけで表現される異国の怖い話。洗練された日本語で楽しんできた『怪談』の新しい読み方を発見できます。
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本書は、八雲が来日後、最初に発表した紀行文です。左目を失明していた八雲は、視覚ではなく聴覚で日本の風景を捉え、音を媒介に日本文化の深淵へと思想を巡らせています。米をつく杵の音や物売りの声など、明治の日本の風景が鮮明に描かれるとともに、「日本とは、日本人とは」を考えるきっかけとなる一冊です。
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小泉八雲は最晩年の7年間、夏目漱石の前任者として、東京帝国大学にて英文学講義を行なっています。講義録は当時の学生たちによる筆記ノートをもとに作成され、彼の死後、アメリカで出版され人気を博すほどでした。文学論のみならず創作秘話や読書法の指南など、日本の学生への愛あふれる講義が再現されています。
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来日前、ラフカディオ・ハーンはニューオリンズで10年間過ごし、食堂経営にも挑戦しました。友人の裏切りにより食堂は21日で閉店を余儀なくされますが、食への好奇心は本書に結実します。初のクレオール料理本として出版された一風変わったレシピ本で、新米主婦向けに家庭料理からデザートの作り方、家事の心得まで解かれた本です。
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