19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
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従来ソシュールは20世紀の言語学、特に構造主義あるいは記号論の先駆者として読まれてきた。21世紀になってすでに十余年が経った今、一般言語学だけでなく、伝説・神話研究やアナグラム研究、さらには政治的言説を含め、ソシュールを19世紀末から20世紀初頭の歴史的文脈のなかで読み直すことが求められる。【選者:金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-:香川大学准教授)】
ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
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SNSなどのインターネットメディアを介して、誰もが手軽に自らを虚構の中に演出することのできる時代。増殖する匿名のナルシシズムに埋もれて、思考の原理としての「省察」は窒息し始めています。こうした現代の自画像をそれと見抜くための4冊+1(拙著)を紹介します。【選者:藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-:京都大学人文科学研究所助教)】
ゾンビを/で哲学してみる!?
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映画、マンガ、ハロウィン、テーマパーク・・・。近頃、様々な場面で見かけることが増えた「ゾンビ」。一体何者なのでしょう?どうして流行しているのでしょう?ゾンビを考えると何か面白いことがあるのでしょうか?皆さまを、実はわりと奥が深い、ゾンビ哲学の世界にご招待します。【選者:岡本健(おかもと・たけし:1983-:奈良県立大学准教授)】
〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
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〈アイドル〉は、身近さをウリとしてきましたが、そのあり方は、ますますメディアが日常化し、日常がメディア化している現代社会を体現しています。ここでは、あちら側にいる個々の〈アイドル〉よりむしろ、こちら側の現象、ひとつの文化としての〈アイドル〉という観点から、わたしたちの生きる日常を捉え直すヒントとなる5冊を挙げています。【選者:西兼志(にし・けんじ:1972-:成蹊大学文学部教授)】
今、哲学を(再)開始するために
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哲学の研究と哲学そのものは異なるものだとしばしば言われます。それでは今、どのような哲学が、あるいはどのようにして哲学が可能なのでしょうか。この問いに関わると思われるものを自著『ドゥルーズと多様体の哲学』と関連するものから選びました【選者:渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-:大学等非常勤講師)】。
じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
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一人で考えるのも大切だが、それだけだと一人よがりになる。自分が今ちょうど考えていることがただの思いつきなのか、それとも自分以外の人とも共有可能な広がりのあるアイデアなのか、それを検証したり、意見をいただくうえで一番手っ取り早いのが、じつは誰かと会話することである。意見の一致、優劣はどうでもいい。一人よがりにならず、考えを深め、思考を生き生きとさせてくれるのが会話である【選者:篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-:哲学・建築思想)】。
心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
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心が病み、また癒えるそのプロセスは、いま医学的見方を超えて、人の暮らしや生き様に深く関わるものとして見直されつつあります。20世紀のフランス哲学も、この関わりを問うことで思想を発展させました。「心」をより豊かに再考する手がかりがきっとそこに見つかります。【選者:上尾真道(うえお・まさみち:1979-:滋賀県立大学非常勤講師)】
20世紀フランスの哲学地図を書き換える
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20世紀のフランス哲学は、ジャン・カヴァイエスというスピノザ主義者で数理哲学者の系譜を加えてみると、欠けたハブを取り戻したかのように、知られざる知のネットワークの存在を浮かび上がらせます。あなたの《フランス哲学》もそろそろアップデートしてみませんか。【選者:近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-:鹿児島大学法文学部准教授)】
意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
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「意志」について考えるきっかけになる本を選びました。「意志なんて、何か考えるべきことなんてあるの?」と思われる方もいらっしゃるかと。このテーマ、哲学ではそれなりに論じられています。けれども、いったい何が問題なのか、いまいち分かりにくいんですね。それをハッキリさせる五冊を選んでみました。【選者:國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-:高崎経済大学准教授)】
崇高が分かれば西洋が分かる
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私たちの心を厳粛な畏怖で満たす「崇高」の感情。この主題は、古くは古代の詩学・修辞学において論じられ、近代になるにつれて自然や芸術を対象とする美学理論へと展開していきました。西洋の文明を貫く「崇高」というテーマについて、古代から現代までの流れを理解するための基本書を紹介します【選者:星野太(ほしの・ふとし:1983-:美学者・金沢美術工芸大学講師)】。