目次
地域学をはじめよう
- 山下祐介
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1 地域を見出そう 国とのつながり
◆1 大都市郊外に息づく地域
大都市郊外ニュータウンに地域はある?/もはや今時、地域なんていらない?/団地の裏側にある村々/五〇年前に起きた地域をめぐる大きな変化
◆2 地域はあまねく存在する
たとえ見えなくても、みな地域に関わって生きている/地方自治体という地域/参加が地域をつくっている
◆3 地域とは何だろうか (1)分割して統治する
国と地域の深い関係/廃藩置県と都道府県/具体的な暮らしに関わる市区町村/地域の最小単位としての自然村/由木村の地域編成/なぜ分割する必要があるのだろうか?
◆4 地域とは何だろうか (2)自治の単位、生命の単位
地域は自治の単位である/生き物としての地域/生きているものを取り扱う/社会有機体としての国家と地域
◆5 都市について
都市の生態学的定義/都市の結節機関説/つながりの中で営まれる国家/地域はなぜ見えなくなったのか?
2 水を見よう、道をたどろう 空間のつながり
◆1 弥生水田から田舎館城、そして田んぼアートまで 田舎館村の地域学
古代米で描く田んぼアート/北の弥生水田跡・垂柳遺跡/水路の水はどこから来るのか?/田舎館城と津軽統一/津軽平野の稲作集落
◆2 水の流れに沿って 岩木川がつなぐ山村と都市
水と水田開発、都市の暮らし/岩木川の歴史と地域/ダムに消えた白神山村/ある商店の事例/地域のつながりを探ろう
◆3 道がつなぐ村、町、都市、国
川原平から弘前までの道と村々/道からたどる村と町/甲州街道と宿場町/八王子の宿と町を歩く/桑都・八王子と絹の道/道の移り変わりと地域/交通の高速化が地域のかたちを変える
◆4 生きている地域とその変化
水系もまた見えなくなった/地域の持続可能性とは?
3 家、村、町、都市 時間のつながり
◆1 限界集落が生き残っているわけ
消えゆく集落のイメージ/村はしぶとい/限界集落が生き続ける理由/高齢者と家族をつなぐ絆
◆2 地域の構成単位は家である
村は家でできている/川原平村の家々/地域を構成する最小単位は家
◆3 都市も家でできている
一代で巨大地主となった布嘉家はその富を何に使ったか?/大地主から自動車ディーラーへ/家としての会社/家が地域をつくり、地域が家をつくる
◆4 家・村・町・都市の脈動とそのゆくえ
地域の変化と仕事の変化/津軽の農山漁村、町場の調査から/地域に固有の仕事が失われていく/弘前市の調査から/都市の拡大と生業の変容/実は郊外にも「家」が/生きている地域、生き続ける地域
◆5 地域に探る歴史の年輪
列島の歴史を現在の地域に見出す
縄文遺跡から中世城館へ/青森湊の近世から近代/青森市街地の拡大発展過程/現代の地域と未来への時間
◆6 近代化の中の地域学
近代化がもたらす新たな時空/この五〇年間に起きたこと/グローバル化を生きぬく作法としての地域学
4 地域学をはじめよう
◆1 地域学をはじめる前に
対象とする地域をしぼり、テーマを決めよう/日本の地域の複雑な重層性/都道府県の選択から
◆2 対象とする地域を見出す (1)地図を使って地域空間を理解する
地図を集め、広げる/市町村の配置/人口の分布/地形(河川など)/交通施設
ほか