目次
絵画の「進化論」 写真の登場と絵画の変容
- 著:小田茂一
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はじめに
第1章 新しい絵画の誕生
1 「水」を分節化したモネ
2 滑らかな筆致の対極、スーラの点描
3 ゴッホを変えたスーラ
4 写真の登場と描法の変化
第2章 融合する絵画と写真
1 十九世紀半ばの二つの視覚メディア
2 写真をもとに絵画を描く
3 寓意を語る合成写真
4 絵画の表現力、写真の描写力
第3章 「再現する」こと、「見えるようにする」こと
1 「再現する」ことは絵画の伝統
2 「見えるようにする」こと
3 「再現」から新しい造形へ
4 「再現」を離れた絵画と「再現する」映画
5 多元的視点と多層な時間
第4章 「筆致」から「筆触」、そして記号化へ
1 「点」とは、そして「線」とは
2 メディアとしての絵画の歴史
3 デジタルへの萌芽、点描法
4 プラズマ・ディスプレイに比べれば
5 筆触が吹き込んだ「いのち」
6 記号の自立、簡潔な表現
第5章 「動き」の描写、「時間」の描写
1 写された「動き」、描かれた「動き」
2 写真から映像へのプロセスと絵画
3 時間を記憶する空間表現・モビール
4 描き出された時間経過とドリッピング手法
5 「いのち」のギヴ・アンド・テーク
第6章 遠近法的世界の変容
1 写真を真似る絵画、超える絵画
2 アウラと遠近法
3 複製技術化する近代の視覚文化
第7章 正面性の成立と変容
1 画像がもつ正面性とメッセージ力
2 写真の被写体、絵画のモデル
3 親密さの尺度としての正面性
4 見ることへの欲望と正面性
第8章 デジタル時代のまなざし
1 デジタルな視覚は移行する
2 視覚技術とのインタラクティブな関係
3 「水滴」はファンタジックな四角形
4 写真から復元される「動き」――再びモネへ
終章 絵画の未来と継続する「進化」
注
あとがき