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『文藝春秋』の連載をまとめた新書の2冊目。
少し前の世界情勢に鋭く切り込んでいて面白かったです。
ワインが中心の章が2つほどあるのですが、読んでいるとワインが飲みたくなります。
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ローマの衰亡は500年、日本の衰弱は20年。
ならば、どうする?
ローマを中心に、『歴史の中の人』を語り続けた著書が綴る
「ことば・言葉・ことば」43本。
日本政治の現体制に対し、著書の考えを明示しているところも興味深し。
ちなみに自分は、塩野さんのスタンスには激しく共感するたち。
政治思想もw
【目次】
第一章
亡国の悲劇とは、人材が欠乏するから起こるのではなく、
人材はいてもそれを使いこなすメカニズムが機能しなくなるから起こるのだ。
第二章
夢の政府をつくってみた。
大臣たちは、私が慣れ親しんできたローマの皇帝にする。
第三章
「始めに言葉ありき」とは、
最後まで「言葉ありき」なのである。
【こんな人にお勧め】
「塩野七生さんの本を読むのは初めて!」
という方にはあまりお勧めしません。
というのも、
『ローマ人の物語』をはじめとし、
著書を複数読んでいるからこそ、分かるものがあるから。
「確かに塩野さんはこういうスタンスだな~」
とか。
ただ、政治に関心のある人は読んでみると面白いかも。
著書はもともと哲学を専攻していた方。
歴史小説を書いているといっても、史実性にこだわることなく、
著者自身が納得できる、著者自身の考えによっているところも。
だからこそ明快。
だからこそ面白い。
そういった観点から照らされる、政治観は見もの。
ちょっと美学も入っているように思うし。
(だからこそいいのですが)
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ものの価値はどこにあるのか、作る方も購入する方も、考える必要があるのではと思ったり(これは仕事柄)。
選挙の結果をみてうーんと思ったり。
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価格破壊は文明破壊とも言える。安物に想像力も楽しみもない。安物買いのゼニ失いという昔の人の智慧も一理ある。
お酒を飲んでもローマ人は酔っ払わないが、ギリシャ人は酔っ払う。
日本の首脳も靖国神社に海外の要人を連れて行くべきだ。そして自分たちが海外に行ったときはそういうところに連れて行くべきだ。
女性の品格なんて本は、日本では一昔前の賢女の育成か。。
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塩野さん、これでも民主党、小沢さんに期待しますか《赤松正雄の読書録ブログ》
民主党が参院選で大敗北を喫して約三週間。今一番読みたいと思うのは、雑誌『文藝春秋』の塩野七生さんの巻頭随筆「日本人へ」である。投票日の前々日に発売された八月号で「民主党の圧勝を望む」を書いておられた。理由はひたすら「政権の安定のために」であった。一年半ほど前の同じ欄に「拝啓・小沢一郎様」との題で「自民党と民主党との今すぐの大連立」を呼びかけ、それをやれるのは「小沢様、あなた御一人です」とまで「小沢待望論」を掲げた塩野さん。ことほどさように入れ込んだ小沢・民主党の敗北をどう総括されるのか。読んで見たいと思うのは私だけではあるまい。
選挙後に、溜め込んでいた本を紐解いているが、その中に塩野さんの『日本人へ リーダー篇』と『日本人へ 国家と歴史篇』の2冊がある。冒頭に取り上げたものの集大成である。国家の安全保障に関心を持ってきたものとして、鮮やかな論旨展開に、大いに感心してきた。基底部をなしているのは、強い国家と卓越した指導者への期待であり、「ローマ」に比べあまりにひ弱な現代日本のリーダーたちへのため息である。それは痛いほど分かるものの、明らかに上手の手から水が漏れたといわざるを得ないのが、上記の二つだろう。
同じく選挙の投票日前日の毎日新聞のコラム『近聞遠見』で岩見隆夫氏が「塩野七生に反論する」との鋭い論評を書いた。「安定するに越したことはない。だが、議席数が安定しただけで、いい政治が実現すると思うほど、有権者の目は単純でなくなっている」と。彼は雑誌『ウイル』の9月号でも「塩野さんの指導者論は古典的にすぎる」し、「その論旨は現在の日本の状況と相当にずれている」と叩いたうえで、彼女の「再反論」を促している。興趣は高まるばかりだ。
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元々、歴史の勉強をした人の考え方には共感しやすいのですが、とりわけ日本の高度経済成長を外から見てきた人の意見というのは興味深かった。
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今回も折り目がいっぱい。歴史を知ると,人間の本質が見えてくるのでしょうか。外(海外)から見ると日本は不思議な国のようです。一度,日本の常識ということを疑ってみる必要があると感じました。
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大学時代に読んでいた、「ローマ人の物語」著者ということで興味を惹かれ読んだ。
本書の面白さは、日本や日本人に対して根本的な問いかけを、テンポの良い語り口でしているところ。
歴史の中に人間の本質を見てきた、または外国に長年住みながら日本を見て来た著者ならではの、私では思いもよらなかった視点に好奇心を刺激される。
特に、個人、国家両方に対して述べられているのが、その戦略の無さ。
私自身、日常では人の情に訴えれば何とかなる、と考えている節があるのでギクリとした。
ナイーブな個人が国内に集まるのは、それで社会が進む。しかし、同じ言語文化を持たない相手に直面する時には、戦略が必要になる。言語や価値観の問題以上に、この戦略の無さが現在の「ガラパゴス化」を起こしているのではないかと私は考えた。
とはいえ、批判のみが本書の内容ではない。
論旨が明快で、要所要所で皮肉のスパイスも効いている為、英語記事を読んでいるかのような錯覚を覚える。
しかし、しっかりと主張をしながらも、日本への愛を感じることができる。
冷静な文章を書くと、ぎこちなくて翻訳書のようになる人も多いように感じるが、このように温かみと共に日本語で主張をすることのできる著者に憧れを抱いた。
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どうやれば日本は、二度と負け戦をしないで済むか。
自国のことは自国で解決する、で行くしかない。
自分で自分を守ろうとしない者を、誰が助ける気になるか。
日本的な秀才は、予期していた事態への対処は上手いが、予期していなかった事態への対処は下手なのが特質らしい。
真正面から答えるか、それともすり抜けるかのちがいはあっても、予期しなかった質問に対処して初めて、頭脳の出来の良し悪しが計れるのである。
天下りに関して、五十を過ぎてしかも他より優秀な人たちに、なぜ国が再就職を世話してやらねばならないのか。
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右とか左とか、保守とか革新とか、そんなことよりも大切な日本人へのメッセージが詰め込まれた一冊。平和な時代にこそ読みたい。
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流石!と一言。そして、ワインで乾杯。それでいいし、それだけがいい。
少し前に「国家の品格」という最悪に近いという感想をもった本があったが、本当に品格ある文章には品格という言葉さえ安く見える。
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まず、帯の
『ローマの衰亡は500年
日本の衰弱は20年 ならばどうする?』
この言葉に惹かれて買いました。
最近ローマ方面の歴史も興味があるので
買ったと言っても良いかもしれない。
映画、ジャンヌダルク や トロイ
300(スリーハンドレッド) グラデュエーター等
漫画では、ヒストリエやヴィンランドサガ
そんな漫画にも興味を持つ今日この頃。
他にもヨーロッパ方面の歴史を題材にした映画や特集を見ているうちに結構面白そうな予備知識が増えた一冊だった。
著者の若き日のヨーロッパの印象等も交えて話題が展開。
もっとローマの事を知りたくなったきっかけを』作ってくれた気がする。
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気っぷのいい塩野節は健在で、日本の政治家たちをローマの皇帝たちと比較したりと、イタリア在住の日本人から見た日本の凋落ぶりを鋭くえぐっている。それにしてもかつてのローマ人の知恵と行動力には感心するばかり。特に征服したにも積極的に市民権を与えて有能な人材を求めるというのは意外だった。中国では魏の曹操がそうだったというし、モンゴル帝国もそうだった(かな?)アメリカもようやく黒人の血を引く大統領が生まれた。さて、その点我が国はというとなかなか難しい。やはりもっと混血が進まないといけないのかもしれない。
ところで「ローマの衰亡は500年、日本の衰弱は20年」という帯のコピーがきになるが、なんだかんだで日本は2000年以上も国体を維持しているのだから、経済大国でなくなっただけで滅びるとは限らないと思うけれど。たとえ今より貧しくなったとしても。
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温故知新のイタリア×日本バージョン。という感じ。ワインやローマや日本の現代政治やら、塩野七生さんとおしゃべりをしているような本。はっきり意見が言えるのは、彼女のように時間をかけて、たくさんの事実を生のまま捉えているからなんだろな。女性に対する現実的でフェアな視点が清々しい。こんな風に引き出しの多い人になれたらいいな、と思ったり。本を読んだ後の楽しみは、伝えたかったり共有したい人に貸すことだけど、これはまっさきな母だなー。
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日本の政治についてよりも、ローマの歴史に興味を持った。また、ちょっとは政治家を信じて任せてみようと思うようになった。