紙の本
物語の舞台となる街や人の暮らしの描写がいい
2020/09/29 23:48
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻の前半に起こった、谷中の天王寺五重塔炎上事件。その火事の最中に、そこから程近い芋坂跨線橋から炎上した五重塔に隣接する駐在所勤務の警察官が、飛び降り自殺した。
彼は、そこまでにいたる話の主人公で、その死という、やや不思議な展開で始まった物語の主人公は、その息子、その孫と受け継がれてゆく。息子は、激しさを増す学生運動の潜伏捜査員を任じられて神経症を病みやがて天王寺駐在所に勤務し、父親の死の謎解きを遠因としてやがて殉職。そのまた息子は、同じ警察官の内偵捜査員とという複雑な任務を負うことになって...。
谷中には、まだ五重塔の跡地は、跡地のまま残っていて、その隣には、もちろん現役の駐在所が存在する。物語の根底には、警察官の死の謎が横たわり、だから最後まで天王寺駐在所を中心とした谷中界隈が細かく描かれることとなる。
戦後すぐから始まった、警察官の親子3代の物語のエンディングは現代。巨額の金が動いた経済事件犯人の逮捕直前で収束するが、全編通して、日本の闇の部分が描かれていて話は重く暗い。
一方、谷中という街とコミュニティの描き方が、まるで作家はこの街に住んでいるの?と思えるぐらいのリアリティー。街とそこで生きる人々の生活の描写が、物語の暗さの救いになっている感じ。そうじゃなければ、もしかすると、こんなに夢中で読まなかったかも。
紙の本
ミステリーではないが
2014/06/16 12:05
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投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーかと思って購入したので、読み始めた時に「あれ?これミステリーではないよねえ?上下巻購入は失敗だったか?」と少し後悔した。しかし、そんな後悔はすぐに吹き飛んだ。面白かった・・・。上下巻一気読みでした。親子3代に渡る警察官の、まさに「血」の物語です。おすすめです。
電子書籍
懐かしい
2015/10/14 23:59
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投稿者:pippin0034 - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代も懐かしいが、場所も上野や谷中。しかも通っていた高校も描かれていたので親子3代の歴史と相まってかなり感情移入ができた。結末は想像した通りだったが、上下とも一気に読んでしまった。
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3代にわたる執念の謎ときがここで終結する。やはり父の代がいちばんわたしは好きだったな。その段階である程度犯人というか、状況が読めてしまったけど、それでもなんだかんだと言いつつも父親の仕事を継いでいく男たちの姿と、それぞれの時代による違いが面白かった。
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面白かったです。
堪能できました。
綺麗事だけじゃ世の中渡っていけない・・・
正義ってなんだろう?
深いなぁ~
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戦後の警察史、世相史が分かる。
三代の警官親子を通じて、警察にどういう部署があって、どういう仕事をしているのか、さらに警察の移り変りといものが良く分かった。
大河小説でもある。
警察小説の新しい分野を切り開いたとも言える。
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上巻・下巻共に読み終えました。
通勤の朝晩の電車内だけで読み終えましたが、
仕事中も続きが気になるほど。
3代目まで来ると流石に裏が見えてきていて、
出落ち感は否めませんでしたが、それでも
やはり引き込まれました。
佐々木譲さずがです。満足しました。
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面白かったです!
民雄編の最後がいちばんドキドキでした。
写真に写ってたのは誰……ていうか、どっちだーーーどっちだったんだーーーてなりました。
ちょっとずつ読むつもりだったのに、結局一気読みでした。満足。
それでも☆4つなのは、最後、和也が清二の事件の真相をあばくところがスーパー第六感タイムぽかったのと、民雄の罪がなんとなく個人的にしっくりこなかったので……。
でも面白かった! です!
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下巻は三代のうち、二代目民雄から三代目和也へ。
面白くて面白くて、時間を忘れて一気読み。
一代目清治の死の謎は、和也へ引き継がれるけど、謎を通して見えてきたのは警察という組織が何か、ということだと思う。
あと、時代に合わせて登場人物の口調も変わっていたりすることで、素直に時代を感じることができた。
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最後の最後は血なんですよ。血は争えない。
特に民雄編のラストが気になって仕方がない。
三代目の和也はすべてを知った上での行動が目を惹きました。
俺には出来ないなー。あの行動。
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上下巻まとめて読みました。
ドラマを先に見てしまったので、読んだ感想はドラマとあんまり大きな差は無かったなという感じ。
ただ細かい描写がある分、ドラマの裏の想像がしやすかった
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正義とは。
最後の数十ページが怒濤の展開。
これを機に、警察小説にはまる気がしてます、自分。
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5/6:民雄、和也と血に導かれ警官人生を進む安城一族。祖父の事件の真相にたどり着いたかに見えた民雄は凶弾に倒れる。警官となり父や祖父とおなじ清廉な駐在官を志すも血が導き、またも潜入捜査へ。そこでたどりついた真実とは。
とまぁ半世紀に渡った物語りは意外な形で決着がつく。引っ張った決着なので何とも感慨深い。三人の中では和也が一番共感できた。時代が近いからか。いや、必要悪がある事をしっていたかだろう。
読み応えがあり良い作品でした。
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5/4:GW妻の実家なのだが読む時間(隙間)がない。
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初めて佐々木譲の作品を読みました。
親子3代の警官の話。第一部の父親がやはり印象的。ちょっと伏線が多すぎて、途中から分かっているのに解決しないので少しイライラ。
ほかの作品も読んでみなければ。
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2010年6月22日 読了。
前掲作の下巻。
二代目の途中から三代目までが描かれ、上巻で提示された謎が解明される。
正直なところ、謎に関しては何となく見当がついていたのだが、それでも終盤のオチの持っていき方はおもしろかった。そこに繋がるのか、と。
文章そのものも嫌いではないので、他の佐々木作品も読んでみようと思う。